予期せぬキャリアチェンジに備えることは、現代のビジネスパーソンにとって必須だと感じることが多くなりました。
「銀行員、全国で3600人減 自動化・新卒採用減で」と題したセンセーショナルな記事を2019年8月16日付の日本経済新聞9面で目にしました。
記事によると、東京商工リサーチ調べで全国81行の行員数は2018年度1年間で3629人減少したとのことです。人手に頼っていた業務の自動化や新規採用者の抑制によるものとの考察が書かれていましたが、技術の進化が仕事のあり方に大きな影響を与えている一つの表れだと感じました。
今後、人手不足が深刻化することが予想されています。人手に頼っている定型業務の多くは見直しの対象となるでしょう。
このような状況が見通せるなかで、社会人としてコツコツと築いてきた仕事のノウハウやスキルが通用しなくなる可能性が想定されます。45歳を過ぎているビジネスパーソンの多くは、じぶんの仕事が効率化の名の下でなくなることを想定し、変化に対応する準備が急務であると、私は考えています。
人材の二極化
業務の効率化の名の下、仕事のシステム化はより一層進むものと考えます。徹底してムダを排除し、効率化につながらない仕事は姿を消し、今までの仕事のやり方が通用しなくなるのです。
そうなると、効率的にシステム化された仕事を創り出す人材と、それを遂行する(こなす)人材の二極化が進むのです。前者は高い付加価値を創出する人材として重用されることが想定されますが、後者は必ずしもそうではないことが想定されます。
45歳を過ぎたビジネスパーソンに求められることは、組織のチカラを活用した付加価値の創出です。しかし、それを実現するための人材力が備わっていない場合は、組織は、効率的にシステム化された仕事を遂行する(こなす)人材とみることになります。
平時の準備
組織で仕事をするということは、自分の処遇や配置を、他者に委ねることがついてまわります。これに抗うことは簡単なことではありません。自分の処遇や配置をそのときの運に任せてしまうという思いを持ってしまいがちです。
たしかに、自分で処遇や配置を決めることはできませんので、その時の運に任せてしまう部分はあります。
しかし、運に任せるからこそ、自分なりの処世術を準備しておくことに意味があると、私は考えます。
自分なりの処世術とは、ある日突然、人事異動、出向、転籍を言い渡されたとしても、自分を見失うことなく、動揺を最小化するための準備です。人事異動、出向、転籍を突然言い渡される有事のときに準備しようとしても、冷静さを取り戻すには時間を要してしまいます。この準備は、平時にしかできないことです。冷静に準備することができるからです。
自分のオリジナルな再現力
自分なりの処世術を準備するにあたり、最低限、自分の言葉で定義づけしておくべきことは、自分のオリジナルな再現力です。
再現力とは、自分に与えられた役割において、付加価値を創出し続けられるチカラです。
「あの人に任せておけば、この仕事は大丈夫。きっと成果を出してくれる。」
再現力は、おのような信頼にもとづくチカラです。自分のオリジナルな再現力を自分の言葉で定義し、自己認識できていれば、変化にも対応できます。自分のミッションがわかっているからです。仮に自分の想定を超えた変化であっても、自分のミッションとの接点を探し、調整することで、変化に対応できるのです。
まとめ
45歳を過ぎたビジネスパーソンであれば、なにかしら、自分のオリジナルな再現力があるはずです。それは、自分の過去と照らし合わせて振り返ることで、見つけることができます。
平時において、自分の再現力を見つけるべく行動しておくこと。
このことを意識できれば、予期せぬキャリアチェンジにも冷静に対応できます。
具体的な方法について、明日からお伝えしていきたいと思います。