「じぶんが評価されていない」と感じるとき、気をつけなければいけないことがあります。
それは、「じぶんで、じぶんの評価を落とす行動をとってはいけない」ということです。
「負のオーラ」を周囲にまき散らかさないということでもあります。
とは言え、当の本人は、このような行動をとっていることに無自覚である場合が往々にしてあります。
それゆえ、「じぶんが評価されていない」と感じたときこそ、「じぶん」を俯瞰してみるスタンスが必要になると、私は考えます。
人事の領域に長く携わっている私の経験則から、「じぶんが評価されていない」と感じる場面は、つぎの3つに集約されます。
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人事異動
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人事評価
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上司との人間関係
これらの3つの場面で、当の本人が、人事に不満を伝えにくることが多いからです。
(また、必ずしも当の本人が伝えに来なくとも、「風のうわさ」で当の本人が不満を抱えていることが伝わってくることもあります。)
人事の視点で捉えると、不満への対処の仕方がスマートな人とそうでない人で、組織における存在価値が大きく変わると言い切ることができます。
そこで、「じぶんが評価されていない」と感じたときの対処法をお伝えしたいと思います。
今日は、人事異動の場面での対処法です。
不満を周囲にまき散らさない
組織に属していると、自分の思い通りにいかないことが往々にしてあります。
このことをしっかりと自己認識することが必要です。
人事異動に不満を抱える人の多くは、「どうして、自分だけが・・・。」という思いを抱きがちですが、それを表に出すことは、避けるべきです。
経験則からですが、「どうして、自分だけが」という思いを抱く背景には、
自分は有能な人材である
その有能さを理解していない組織は無能である
自分の今後のキャリアパスを組織はまったく考えていない
ゆえに、自分は軽んじられている
といった自己認識を持っている場合が多いように感じています。
この自己認識を自分の存在を守るための前提条件として持ち合わせて仕事に対峙してしまいまうと、つぎのようなことを周囲に公言したりします。
「仕事だから、やるべきことはやりますけどね。」
この一言は、暗に自分が不満を抱えているということを伝えてしまいます。
これを聞いた周囲の人は、腫れ物に触るようなかかわり方を無意識に選択してしまいます。なるべくならば、かかわりたくないという意識を持ってしまいうのです。
こうなると、つぎのようなスパイラルが完成するのです。
自分が不満を抱える
⇒ 暗にそのことを周囲にまき散らす
⇒ 周囲がかかわりを避けるようになる
⇒ 自分が孤立していると感じる
⇒ 人事異動によって自分が浮いた存在になったと感じる
⇒ 自分の不満がより一層つよくなる
⇒ 行き場のない怒りを持って仕事をする
⇒ 上司や周囲にトゲトゲしい発言や態度をとる。
⇒ そのオーラが周囲に伝わる
⇒ ますます周囲がかかわりを避けるようになる
⇒ 人事異動によって、自分が浮いた存在になったと強く感じる
⇒ 自分の中で、他責化が習慣化する
「変えられること」を見極める
自分が不満を抱えると、周囲が見えなくなることが多く、このようなスパイラルを自ら作り上げてしまいます。
要するに、自分で自分を
「めんどくさい人材」
として表現してしまうのです。(そして、そのことに自分は気づいていません。)
冷静に考えて、自分にとって大きな機会損失だと、私は考えます。
自分が置かれている状況は、自力で変えられない部分が大きいがゆえに、そのことに拘泥し、自分が存在しているということを「負のオーラ」によって表現しているからです。
人事異動に不満を抱えていると、かけがえのない自分を軽んじられていると感じやすくなるため、やむを得ないことではあります。
しかし、自分で変えられることがあることに気づくことが必要だと、私は考えます。
それは、
「自分の経験を、今の仕事に活かすとするならば、自分は何ができるのだろうか?」
という「問い」を自分に投げかけて、自分にできる「変えられること」を見極めていくことです。
小さくても構わないので、自分が貢献できることを見つけることがポイントです。
自分が貢献できることが見つかり、それを実行していくことで、自分が自分の居場所を創ることなるからです。
まとめ
45歳を過ぎて、自分が長年携わってきた仕事と畑違いの仕事に変わる人事異動が納得できない、ということ相談を受けるとき、私はこう感じます。
「せっかくチカラがあるのに、それが見えなくなってしまっていて、もったいないな。」
人事異動の不満を解消することは、簡単なことではありません。
しかし、不満を持ち続けることは避けるべきです。
つぎの3点を意識することをオススメしています。
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自分の過去を振り返り、自分が大切にしていることを明らかにする
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そして、自分の内面に存在している小さな自信を再確認する
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自分の存在価値、あり方を自分で決める
かけがえのない、自分の人生、キャリアを、自分で創り上げることができれば、人事異動による不満は少しずつ減っていきます。
自分の存在価値を、自分で高めていく意識と行動を、小さくても続けることが、望まない人事異動への対処法であると、私は考えます。
本日も、お読みいただきありがとうございました。