【キャリアの悩みを解決する】シリーズとして、計画的偶発性理論についてお伝えしてきました。昨日の記事をもって、計画的偶発性理論を構成する5つの視点すべてについて、私の考え方をお伝えし終えました。(ブログの後半に、過去記事としてご紹介していますので、お読みいただければ嬉しいです。)
計画的偶発性理論を要約すると、「好奇心」「持続性」「楽観性」「柔軟性」「冒険心(リスクテイク)」という5つの視点で自分のキャリアを俯瞰し、意味づけするという考え方である、と私は捉えています。
自分がたどってきたキャリアの足跡の一つひとつを振り返り、意味づけし、そして、その一つひとつを結びつけることで、自分のキャリアがどのような意味をもっているかということを、自分の言葉で認識するというものでもあります。
哲学者のジョン・デューイは、経験と学習の理論において、つぎのように述べています。
" We don't learn from experience. We learn from reflection on our experience. "
自分がたどってきたキャリアの足跡を具体的な経験として捉え、その経験を振り返る。そして、その経験が自分にもたらす意味を認識し、自分の次のステップに活用する。
ジョン・デューイの言葉は、このように解釈できるのではないでしょうか。
つまり、計画的偶発性理論とジョン・デューイの経験と学習の理論を重ね合わせると、自分がたどってきたキャリアの足跡の一つひとつを振り返ることでつぎのキャリアを切り拓くことにつながると、私は考えます。
コネクティング・ドッツとの出会い
ある日、友人からこのような話を聞きました。
「スティーブ・ジョブスがスタンフォード大学の卒業式で講演した話、知ってるか?」
「社会的に成功している人物が、自分の過去を公の場で告白し、これから社会に飛び立つ若者の勇気づけになる話をしているんだよ。」
「点と点を結びつけること。経験したことに価値がある、という話だから、一度聞いてみるといいよ。Youtubeに出ているからさ。」
ほどなく、Youtubeを見ました。スピーチは当然英語ですが、和訳されている動画もありましたので、英語を聴きながら和訳をみることで、内容を理解できました。
スティーブ・ジョブス氏は、説明するまでもなく、Appleの創設者であり世界的企業の経営者であった方です。そのような人物でも、自分の過去はすべてがバラ色ではなく、幾多の苦難を経験し、今がある、ということを知り、こう感じました。
「こんなすごい人でも、どん底を経験したことがあったんだ。そして、そこから立ち上がろうとして、立ち上がったとき、昔の経験に意味があることに気づいたんだな。」
「昔の経験は、その当時は意味がないと思っていたのかもしれないけれども、立ち上がろうとする気持ちがあれば、その経験も意味があると考えることができるかもしれないな。」
当時、私は40歳を過ぎて、自分の人生を変えたいという思いで転職したにもかかわらず、ますます自分の居場所がわからなくなっていたときでした。
先行きが見えないなか、コネクティング・ドッツという考え方に出会い、自分の未来とにかすかな希望の光が見えたことを鮮明に覚えています。
”今”を意味づけすることの大切さ
自分の居場所がわからなくなっていた当時の私は、自分がたどってきたキャリアの足跡があるからこそ、”今”がある、というあたりまえのことを、認めたくないという思いを抱いていました。
迷いのまっただなかにいるとき、アタマでは理論は知っていても、ココロからそれを活用することができないものです。
コネクティング・ドッツの考え方と計画的偶発性理論の考え方を重ね合わせたとき、
”今”を意味づけすることの大切さ
”自分の過去”を振り返り、学んだことを整理することの大切さ
を再認識しました。
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自分がたどってきたキャリアの足跡の意味は、それをしっかりと振り返らないかぎり、ほんとうの意味づけをすることはできない。
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自分がたどってきたキャリアの一つひとつに意識を傾ける。
このように考えると、なぜ自分がキャリアに迷いを感じているかがわかってきたのです。
迷いと向き合うことの意味
当時の私は、つぎのような迷いに悩んでいました。
・自分のチカラが発揮できず評価されていない
・キャリアの先行きを考えたいけれでもどうしていいかわからない
・転職した後で、自分のチカラを発揮できず伸び悩んでしまっている
・けれども、このままでは終われないと思っている
迷いのまっただなかにいたとき、私はただ現状を見つめて、「どうしよう、どうしよう。」と右往左往していました。自分の過去の経験、過去の選択を間違った選択としてしかとらえることができず、自分で迷いを深めてしまっていたのです。
しかし、この迷いにも意味があったと今では振り返ることができます。
この迷いのおかげで、自分のキャリアを創り上げる羅針盤としての考え方に出会うことができたからです。その考え方が、計画的偶発性理論、コネクティング・ドッツです。
このように考えると、迷いと向き合うことの意味が見えてくると、私は考えています。
まとめ
自分がたどってきたキャリアの足跡の一つひとつを振り返り、意味づけし、そして、その一つひとつを結びつけることで、自分のキャリアがどのような意味をもっているかということを、自分の言葉で語れるようになる。
自分のキャリアを主体的・自律的に創り上げるには、相応の時間が必要になりますが、時間をかける意味はじゅうぶんあると考えます。
私は、悔いなく、一度かぎりの人生をおくるためにも、相応の時間をかけて、自分のキャリアの足跡と向き合ったことが良かったと感じているからです。
小さな一歩を踏み出すことで、自分のキャリアを切り拓く可能性は広がります。
本日もお読みいただきありがとうございました。
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【参考記事】
(1)計画的偶発性理論とは??5つの視点とは??
hiratsukacareer.hatenablog.com
(2)計画的偶発性理論の5つの視点:好奇心とは?
hiratsukacareer.hatenablog.com
(3)計画的偶発性理論の5つの視点:持続性とは?
(4)計画的偶発性理論の5つの視点:楽観性とは?
hiratsukacareer.hatenablog.com
(5)計画的偶発性理論の5つの視点:柔軟性とは?
hiratsukacareer.hatenablog.com
(6)計画的偶発性理論の5つの視点:冒険心(リスクテイク)とは?
hiratsukacareer.hatenablog.com