昨日は、キャリアの悩みを解決する有効な方法として、”計画的偶発性理論”についてお伝えしました。
”計画的偶発性理論”は、①好奇心、②持続性、③楽観性、④柔軟性、⑤冒険心という5つの視点から成り立っています。その一つひとつは、言葉のイメージでなんとなくイメージすることができると思いますが、もう少し具体的にイメージできるような事例をお伝えしたいと思います。
好奇心がなかったとしたら・・・
もし、自分の仕事に興味をもつことができなかったとしたら、仕事は苦行になるでしょう。毎日つまらない時間を過ごし、無意味に時間だけが過ぎていってしまいます。しかし、最初は興味が持てない仕事であっても、何かのきっかけで興味を持ち始め、より深く知りたくなる、つまり好奇心をもって取り組むことが可能になると、私は考えます。
私の例をご紹介します。
ここで僭越ながら、私の経験談をお伝えします。
私は今年で人事に携わっている経験年数は23年になります。20年以上も人事の仕事をしているにもかかわらず、人事の仕事をやるように会社から言われたときは、心底嫌でした。
そもそも、ひとごと(人事)は、とてつもなくめんどくさい印象がありました。暗いイメージを持っていたからです。
春先に春闘のニュースで取り上げられる賃上げが〇〇円で昇給率が〇〇%といった類の仕事をイメージしていたからです。
もっとも、与えられた仕事はこなさなければ、若くして仕事を失ってしまいます。失職するわけにはいきませんから、やむなく人事の仕事に従事したわけです。
ひょんなことから、転機が訪れました。
それは、人事の仕事の全体像を知ろうと思い、手に取った社会保険労務士の受験参考書を目にしたときでした。
まったく興味のなかった健康保険法と国民年金法に関する一節を読んだとき、今まで知らなかった社会保障の仕組みの面白さに引き込まれてしまったのです。その理由は、社会保障の仕組みの巧妙さに興味を魅かれたのだと思います。
それ以降、厚生年金保険法、労働基準法、労働者災害補償保険法、雇用保険法といったた、およそマニアでなければ興味・関心を持たないであろう法律の奥深さに魅かれ、もっと知りたくなり、自分で学びを深めました。
社会保険労務士の勉強に「好奇心」をもって取り組めたのは、一般的に知られていないことを知る喜びと、そこで得た知識を仕事に活用したいと思ったからだと思います。
その後、社会保険労務士試験を受験し、2回目の挑戦で合格することができ、自分の自信にもつながりました。
23年たった今、振り返ると、人事に携わった最初のタイミングで、仕事にかかわる「好奇心」をもつ対象を見つけることがなければ、今の自分は存在していないと感じています。
「好奇心」をもって取り組めたことが、今の自分のキャリアの核になっているからです。
「好奇心」がキャリアを切り拓く原点
「好きこそ物の上手なれ」と言われるように、「好奇心」をもつことは、仕事(キャリア)を極める原点である、と私は考えます。
それゆえ、45歳を過ぎて、自分のキャリアを振り返るとき、自分が「好奇心」をもって取り組めたことは何かを確認することを強くおススメしています。
振り返るときのポイントは2つです。
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携わってきた仕事で興味・関心をもった仕事を具体的に書き出す
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仕事以外のことで興味・関心をもった出来事、人、経験を具体的に書き出す
この2つを振り返ることで、自分が「好奇心」を感じるツボを押さえることができるようになります。
ツボを押さえると、自分と相性のよい仕事(キャリア)の方向性を確かめることができます。
つまり、自分を活かす原点を、自分の社会人としての自分史の中から見つけやすくなるのです。
まとめ
自分の社会人としての自分史の中から、自分が「好奇心」を感じる傾向を把握できれば、「強み」と「弱み」を冷静に見極めることにつながります。
自分のキャリアの方向性を確かめるためにとても大切なプロセスです。自分の原点を知り、自分のキャリアの核を、自分の言葉で語れるようになれば、自分の活かし方を確かめることができます。
それは、自分を勇気づけ、かつ、自分の自信を再確認することができる契機になります。
「好奇心」はキャリアを切り拓く原点となる。
このことを覚えていただければ幸いです。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
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