【最強の自己分析】と題して、6回連載してきました。
いよいよ、終わりに近づきつつあります。
第5回目までは、じぶんが生きてきた時代を切り口に、じぶんとの対話、内なるじぶんの声に耳を傾ける大切さをお伝えしてきました。
第6回目は、「じぶんの価値観を問い直す」がテーマです。
自己分析は、経験価値分析 とお伝えしていますが、経験を通してじぶんの価値観は形成されるものです。それゆえ、じぶんの価値観を見つめ直すことで、質の高い経験価値分析ができるようになります。
「過去」を見つめ直し、そこで経験したことを「じぶんの言葉」で意味づけし、それをじぶんの将来につなげていく。
「過去」の経験を、つなげることが、経験価値分析です。そして、経験価値を下支えしているのが、「じぶんの価値観」であると、私は考えます。
【目次】
「問い」はシンプルな方がよい
誰から質問されるとき、その質問が具体的なものであれば、問われていることに答えやすいものです。
「今日は何をしましたか?」という問いと、「今日はどうでしたか?」という問いでは、前者の方が「何を問うているか」を認識しやすいわけです。
「過去を振り返る」ことについても、問いが具体的であればあるほど、そのときの情景やじぶんの感情を鮮明に思い返すことができます。
一方、「じぶんの価値観」については、シンプルであることがよい、と私は考えます。
じぶんのアタマのなかで、制限なく答えようという意識になるからです。
「今日はどうでしたか?」という問いに正解があるわけではありませんから、その答えは広がりがあります。「今日は何をしましたか?」という問いには、おのずと、「自分が今日一日やってきたこと」という制限が加えられる、という具合です。
まずは「時間軸」で捉える
じぶんの価値観を問い直す、最初の「問い」は時間軸で捉えることです。
「過去の振り返り」においても「時間軸」で捉えてきましたが、それをより広く、大きな視点で捉えます。
具体的には、次の「問い」です。
①じぶんにとって、「過去」とは?
②じぶんにとって、「現在」とは?
③じぶんにとって、「未来」とは?
④じぶんにとって、「人生」とは?
キャリアを長いスパンで捉えるとき、「過去」「現在」「未来」そしてそのつながりである「人生」について、「じぶんの言葉」で書き出すならばどのように表現できるでしょうか。
「時間軸」で捉える価値観は、「じぶんの価値観」の根底になるものと、私は考えます。
つぎに、「つながり軸」で捉える
つぎに、じぶんや他者との「つながり」を通して、問いを立てます。
具体的には、次の「問い」です。
①じぶんにとって、「家族」とは?
②じぶんにとって、「友人」「恋人」とは?
③じぶんにとって、「幸せ」とは?
④じぶんにとって、「夢」とは?
人は独りで生きていくことはできません。さらに、「じぶん」が「じぶん」を認めるということができないと、生きづらくなります。
問いの①と②は他者とのつながり、問いの③と④は「じぶん」とのつながり、といった視点で捉えてみることをおススメします。
最後に、「生きる糧軸」で捉える
生きていくためには一定程度の資産が必要になります。お金と自分の資質という意味での資産です。
「生きる糧」という視点では、経済的な視点と精神的な視点の大きく二つにわけて「問い」を立てます。
具体的には、次の「問い」です。
①じぶんにとって、「仕事」とは?
②じぶんにとって、「会社」とは?
③じぶんにとって、「報酬」とは?
④じぶんにとって、「成長」とは?
⑤じぶんにとって、「成功」とは?
⑥じぶんにとって、「失敗」とは?
⑦じぶんにとって、「後悔」とは?
⑧じぶんにとって、「自信」とは?
問いの①から③は経済的な視点、問いの④から⑧は精神的な視点です。
この「生きる糧軸」の「問い」には、相当時間を要するはずです。普段、「じぶん」に問いかけることがないからです。
それゆえに、幼少期から社会人期までの期間に整理した「じぶん」の経験を参照しながら、「じぶん」と対話することが必要になります。
まとめ
「じぶんの価値観」を問い直すとき、「じぶんの言葉」で書き出すと抽象的に表現してしまいがちです。抽象的な表現でもかまいませんが、「なぜ?どうして?じぶんはそのように表現するのか」という意識をもつと、「問い」に対する答えがより鮮明になります。
「じぶんの価値観」は正解のない問題と対峙することに似ています。
経験を下支えしている「じぶんの価値観」を、「じぶん」の経験を参照領域として捉えることで、広がりを持たせることが大切です。
自己分析は経験価値分析
「じぶんの価値観」が見えてくると、じぶんの経験価値について新たな認識に至ることがあるはずです。
じっくりと腰を据えて取り組む
シンプルな問いだからこそ、カッコつけずに等身大の「じぶん」を表現する
まとめにかえて、この2点を意識することが大切だ、と私は考えます。