45歳を過ぎると、自分のキャリアの先行きがわからなくなり、不安を感じる人が多くいます。
順調に社会人としてのキャリアを積み上げてきたものの、定年までの期間や定年後の自分を肯定的にとらえることができなくなる。
人は自分自身のキャリアの分岐点に対峙したとき、その進む道が閉ざされてしまったのではないかという焦燥感を感じると、私は思います。なにを隠そう、私自身も42歳のときに、自分の会社人としての先行きが見通せなくなった経験があります。そして、なんとかそれを打開しようとして「転職」という「手段」を選択しました。
当時のことを振り返ると、「転職」という「手段」は、そのときの自分自身の存在価値を自分のみならず他者から「認められる」ことを得るために選択した部分が大きかったように感じます。
自分がほんとうに「やりたい」という気持ちが半分程度だったため、転職後に自分の進むべき道を見出すことに、そうとう苦労しました。困り果てて信頼できる友人に相談しても、「自己責任」、「自分で選んだ道だから、自分でなんとかするしかない。」と言われ、どうにも解決の糸口を見出すことができませんでした。
社会人としてのキャリアが20年近く残っている45歳。50歳としても残りは15年。
今日は、キャリアの分岐点における迷いを断ち切る3つのチェックポイントをお伝えしたいと思います。
その1:身の回りが整理整頓されているか
自分の考えがまとまらないとき、往々にして自分の身の回りが整理整頓されていないものです。
たとえば、仕事のデスク周りが片付いていなかったり、カバンの中がぐちゃぐちゃだったり、家の中が整理整頓されていなかったり。
気持ちに余裕がなくなると、身の回りが片付かず、落ち着かない環境に自分の身をおくことになります。落ち着かない環境のなかでは、自分の考えをまとめることは難しくなります。
身の回りを整理整頓することは、自分のアタマの中の整理整頓することにもつながります。
風呂掃除をしてみる、読まない本を処分する等できることを少しずつ取り組むことで、自分のアタマの中をクリアにすることができます。
その2:キャリアを長期的にとらえているか
キャリアの分岐点での悩みの多くは、自分のキャリアを短期的な視点でとらえていることに原因があります。
「今の処遇が気に入らない」
「今の自分は会社に認めてもらえていない」
たしかに、「今の自分」を変えたいという思いを実現したいがゆえに悩みが生じるのですが、そこをグッとこらえて、キャリアを長期的にとらえてみることが大切です。
「虫の目」「鳥の目」「魚の目」という「物事のとらえかた」が参考になります。
キャリアを短期的な視点でとらえることは「虫の目」のとらえかたです。
キャリアの悩みを断ち切るためには、「鳥の目」のように俯瞰的に将来を想像してとらえ、そして、「魚の目」のように過去、現在、将来という軸でキャリアを「流れ」でとらえる。
大切なことは、将来、「どうなりたいのか」という自分の思いを大切にしてキャリアを想像することにあります。
長期的にとらえることができると、今の自分の悩みごとが「小さな」ものに見えてきて、「自分のアタマ」がクリアになります。
その3:悩みを紙に手書きしているか
キャリアにかかわらず、悩みごとを抱えているときは、「自分のアタマ」の中でぐるぐると堂々巡りしているものです。「自分のアタマ」ではなんとなくわかっているものの、そのなんとなくが何かわからない、という状態におちいってしまうのです。
そういうときは、アナログですが、悩みごとをとにかく「手書き」で紙に書き出すことが効果的です。
・悩みごとを、とにかく紙に書き出す。数の目安は50個。
・紙に書き出したものを分類分けしてみる。
・分類分けした後に、新しい紙に、悩みごとを、とにかく紙に書き出す。数の目安は50個。
・その後、もう一度、紙に書き出したものを分類分けしてみる。
手元には悩みごとを手書きした紙が2枚残るわけですが、それを見比べてみると、悩みの本質が見えてきます。本質が見えると、「自分のアタマ」がクリアになるのです。
まとめ
キャリアの悩みは、堂々巡りにはまると抜け出すことが容易でありません。
今日お伝えした3つのチェックポイントは、堂々巡りにはまらないために、とても有効な方法です。
なによりも、いますぐ、かんたんに始めることができます。
自分のキャリアを大切にするために、もし、キャリアの分岐点で悩んでいるならば、試してみる価値は大です。