自分はいったい何をやりたいのだろうか?
45歳を過ぎて、ふと足を止めたとき、自分のキャリアの先行きが見えなくなってしまうことはよくあることです。
先日相談があったTさんは、転職後の会社で13年を過ごし、順調なキャリアを歩んできたのですが、自分の昇進を機にキャリアに迷いを感じ始めました。
昇進したということは喜ばしいことですが、Tさんにとってはその責任が重荷になってしまったとのこと。自分が昇進後のポストに相応しくないとの思いを抱くようになったことがキャリアの迷いの原因のようでした。
こういうとき、どんな対応が望ましいか知りたいという思いで相談に来られました。
迷いの原因を推測すると・・・
こういうケースは仕事に関する自信がないことが原因であることが往々にしてあります。自分がほんとうに携わりたいと思っていない仕事の場合、それに没頭することは簡単ではありません。
任された以上はやり遂げたい、でも、関心がなく仕事がつまらない。
こういう気持ちになると仕事に対する情熱も冷めてしまいがちになります。それゆえ、仕事に関する自信を持てなくなってしまうのです。
迷いの原因を推測すると、興味関心の低さによる自信のなさであることが多くみられると、私は考えます。
そうは言っても簡単に状況は変えられない
しかしながら、興味関心を無理に持とうとしても、そういう気持ちになれないものです。むしろ、逆効果となって自信をより喪失してしまう可能性があります。
Tさんの場合はまさにそういう状況で、任された仕事を全うしなければならないという重圧が心理的なプレッシャーになり、自分の考えを冷静にまとめることが困難になっていました。それゆえに、自分ひとりで悩みを抱えてしまう状況にもつながっていました。
簡単に状況は変えられないことへの対処が見えていないと、悩みの深さは増すばかりです。
小さくとも変化を生み出すことが大切
「自分のキャリアを振り返る」というプロセスは、求道者のごとく自分ひとりで向き合うように捉えている人が多いと思います。たしかに、自分の内面と向き合う内省は、自分にかかっているわけですから的を得ていると思います。
しかし、悩みのツボに陥っているときに、自分ひとりで向き合うことはおススメできません。こういう状況は、負のスパイラルにつながりかねないと考えるからです。
キャリアの悩みのツボに陥っているときは、小さな変化を生み出すことが大切です。小さな変化とは、自分のアタマの中にある思いや考えに気づく機会を持つということです。
とにかく話してみることの大切さ
そのためには、自分のアタマの中にある思いや考えを、自分の口から声に出して話してみることが大切です。自分の声を通して、自分のアタマの中にある思いや考えに触れることで、自分が気がつかなかったことを発見することが多々あります。
可能であれば、誰か心を許せる人に時間を作ってもらい、話を聞いてもらうことがより効果的だと考えます。その人にとにかく話をし、率直に質問してもらったりすると、自分の思いや考えを深めることができます。対話することで、自分の思いや考えに気がつくのです。
まとめ
自分のキャリアに迷いを感じたとき、あれこれと自分ひとりで悩むよりも、他者と対話することを通して、自分の思いや考えを深めることをおススメします。
自分ひとりで紙に書き出すことも効果がありますが、悩みのツボから抜け出すには、っ心を許せる人に頼ってみることの方が効果があると考えます。
最終的に迷いを吹っ切るのは自分自身なので、すべて自分ひとりで抱えなければいけないと思わずに、他者を頼ってみることが実は迷いを吹っ切る近道ではないかと思うのです。