40代で転職するチャンスが増えてきています。40代は社会人としての折り返し地点。40代の生き方が社会人としての価値を決めると言っても過言ではありません。
転職するチャンスが増えてきたと言っても、採用されるためのハードルは高いと言えます。履歴書や職務経歴書による書類選考は通過したとしても、面接の段階で合格できない場合がそれなりにあるのです。
企業にとって採用は億単位の投資と同じ意味を持ちます。40代のキャリア採用者を定年まで採用することを想定すると、その間を合計して1億円程度の人的投資をすることになるからです。
面接における選考は厳しいものになることを応募者も認識する必要があります。
応募者にとっては、当面の「年収」が気になるわけですが、企業にとっては「生涯投資総額」を想定していることを念頭において面接に臨むことが重要になります。
転職の面接で合格するためにはどのようなことに留意する必要があるでしょうか。
そこで、転職の面接で他の応募者と差別化を図るために必要となる3つのチェックポイントをご紹介します。
【目次】
チェックポイント1:企業研究
転職の準備で必須である企業研究。40代の転職活動においては、応募先企業の財務状況、競合他社を踏まえた業界における位置づけ、今後の事業展開にかかわる方向性といった情報を把握していおかなければいけません。
転職の面接で、
「自分が入社した後にどのような分野でどのような貢献ができるか?」
「当社の財務状況にかかわる課題をどのように捉えているか?」
「競合他社と比較して、なぜ当社を志望するのか?」
といった「応募先企業との具体的なかかわり方」を問われることがあるからです。
40代のキャリア採用者は、早い段階で企業業績に貢献することが求められます。
転職活動を営業活動と捉えてみましょう。営業活動ならば、営業先の会社を知らずしてまともな営業ができないはずです。転職活動も同様に応募先企業のことを知らずして、まともな転職はできません。
転職の面接でキラリと光る応募者はもれなく応募先企業の会社情報をくまなくリサーチしています。
チェックポイント2:一文を短く答えている
40代のキャリア採用者には、会社においてマネジメントを期待されることが多くあります。そのため、周囲を巻き込んで活躍できそうな可能性を面接で確認することになります。
周囲を巻き込むためには、一緒に働く人への的確な指示とモチベーションを喚起させる存在感が必要になります。ダラダラと話をして的を得ない指示をされると、マネジメントとして機能不全を起こしかねません。
実際、面接で質問への受け答えが冗長である人は面接を通過できません。冗長に答えてしまうと、質問への問いかけから外れてしまったり、何が言いたいのか不明になってしまいます。その結果、「あの人は何が言いたかったんだろうか?」というマイナスの印象を持たれてしまうからです。
質問への回答が冗長にならないためには、とにかく短くするよう意識することが効果的です。一文を30文字から40文字程度に収める感覚です。一文を短くすることで、メリハリのある受け答えという印象を創りだせます。
面接時間はそれほど長くありません。短い時間でどれだけ好印象を残せるかが合否のカギを握ります。
転職の面接でキラリと光る応募者は端的に質問に答えています。
その3:自分のコトバで相手に伝えようとしている
40代に限らないことですが、とかく面接では自分の言いたいことだけを言って終わってしまう人が多いと感じます。面接準備のために自分で書いた原稿を丸暗記して面接に臨み、セリフのように答えてしまう人が多いのです。
どんなにつたない話し方であっても、相手が受けてとめられるよう、相手が理解しわかるように伝えようとしている人は、面接でもその熱意が伝わるものです。
そのためには、面接で相手が求めている質問の意図を外さず、的を得た受け答えが必須となります。
伝えたいことを準備することは大切ですが、それはセリフとして丸暗記することではありません。自分の強みやセールスポイント、それを活かして自分がどのように貢献できるか、ということの要点を自分のコトバで整理しておくことが必要になるのです。
自分のコトバは借り物ではありません。借り物でないからこそ、相手に伝えようとするときに熱意が伴うのです。
まとめ
今回お伝えした3つのチェックポイントはいずれも難しいものではありません。念頭においたうえで準備できるものばかりです。
人事部の立場で面接に立ち会っていると、この3点ができていない人を数多く見ています。そして、できていない人はもれなく面接を通過できていません。
40代の転職活動を成功させるためには、3つのチェックポイントを押さえておくと、他の応募者との差別化が図れます。「頼れる人材」という好印象を与えることができるからです。
転職を考えている人は、是非とも参考にしてみてください。