毎年、この時期は年明け1月または新年度入社を前提とした転職の動きが でてきます。転職フェアの広告を目にする機会が増えてきました。
45歳を過ぎてから自分の可能性を広げるための手段として「転職」を考える人もいらっしゃるかと思います。「転職」は、実際に勤める会社を変わってみてよくも悪くも新しい気づきを得ることが多いものです。
45歳を過ぎてからの「転職」には、十分な準備と自分の人材力を冷静に見極め意思決定することが必要です。そして、転職した後で、「失敗」したと感じることは避けたいものです。実際、人事の立場で転職してきた人の転職後の仕事振りを観察すると、転職に向いていないタイプの人をしばしば目にします。
転職に向いていないタイプの人は、遅かれ早かれ組織のなかで浮いた存在になり、徐々に居場所を失っていきます。これは、ほんとうに残念なことだといつも感じます。
そこで、今回は、私の経験から転職に失敗してしまう人の傾向を残念な思考パターンとしてお伝えしたいと思います。これから転職活動を始めようとしている方の参考になれば幸いです。
【目次】
変化を受け入れられない
「転職」は、自分を取り巻く環境変化に適応するチカラが求められます。それも、自分が決めたキャリアの転換に伴うストレスを真正面から受け入れ、自分の目指す方向と照らし合わせた意味づけをしていくことが必要になるのです。
会社勤めが長くなると、自分の意思でキャリアを決める機会が限られます。語弊がある言い方となりますが、「会社に自分のキャリアを委ねる」ことが一般的です。それゆえ、自分が決めるという機会が少なくなります。まして、自分の意思でキャリアをゼロリセットする経験をしたことがないわけです。
自分の意思でキャリアをゼロリセットしたときに、自分の身の回りにおきる変化を冷静に受け入れる覚悟がない人は、転職に失敗してしまうことが往々にしてあります。
転職は、自分の意思でキャリアをゼロリセットする機会でもあります。自分の信用力をいったん白紙に戻し新たに積み上げることの大変さを想定し、それを乗り越えられそうだと感じられない人は、「転職」には不向きです。
自分のやりたい仕事だけに執着する
環境変化への適応力と関連する部分がありますが、「転職」に際して自分の専門力への執着が強い場合も注意が必要です。
会社という組織において、自分の専門力を活かすためには、自分のやりたい仕事以外にも注力することが求められます。
「この類の仕事は、今まで経験したことがありません。そもそも、私の経験を活かすことができない仕事ですから、やりたくありません。」
はっきりと口に出さずとも、こういう思いを抱くと自然と言動に自分の意思が反映され、周囲に伝わるものです。
私は人のキャリアは偶然めぐりあった仕事に真摯に取り組むことの積み重ねで築き上げられると考えています。(この考え方はクランボルツ博士が計画的偶発性理論として提唱されています。)
【ご参考:計画的偶発性理論についての過去記事です】
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
hiratsukacareer.hatenablog.com
転職に不向きな人は自分の仕事への執着が強く、視野が狭くなり柔軟性に欠ける場面が多々あります。専門力を活かすことは大切ですが、組織で働く上であまりこの思いが強すぎると、浮いた存在になります。
偶然めぐりあった仕事にも前向きに取り組めそうもない人は転職に不向きです。
まとめ
今回お伝えした2つの残念な思考パターンは、転職後に自分の居場所を失い、上手く活躍できない人の多くが持つ典型的な思考パターンです。
要するに、「自分の考えている条件下でならば貢献するけれども、それを外れると貢献しない」と言っているようなものです。それゆえ、組織の中で浮いた存在になり、最悪の場合、転職後早い段階で離職することもあります。
45歳を過ぎた転職では、転職後早い段階で再度転職することは避けなければいけません。
今回お伝えした2つの残念な思考パターン。もし自分に思い当たる部分がある場合転職は相当慎重になることをおすすめします。転職に失敗する可能性が高いからです。
転職するよりも、今の会社で自分のチカラを発揮する道を見出すことも自分のキャリアを広げることになります。
45歳を過ぎた転職、しっかりと自分と向き合うことで最善の選択をしていただきたいと願っています。