45歳を過ぎると親の介護の問題に直面することがあります。とくに、親が離れて暮らしていたり、独り暮らししている場合は心配ごとが増えます。
私の場合、母親が4年前に他界し、父親が独り暮らしをしているのですが、年齢とともに物忘れも多くなり毎日心配することが多くなりました。
介護の問題は実際に体験してみないとわからないことばかりです。
私の父親も介護保険の認定が「要支援」だったときはそれほど心配していませんでしたが、「要介護」に認定されて以降、試行錯誤の毎日が続いています。
45歳を過ぎると自分自身のキャリアについて真剣に考えなければいけなくなりますが、自分以外のこととして親の介護についても考えなければならなくなります。キャリアと介護を両立させることに取り組む必要があるのです。
そこで、今回は「親の介護」に直面することを想定して、身につけておきたい3つの心構えをご紹介します。
【目次】
親の変化に気づくこと
親と離れて暮らしていると「元気でいる」ことが当たり前のように感じてしまい、連絡を取らなくなったりします。私の場合、親戚が父の独り暮らしを心配して介護保険を活用することを勧められたことをきっかけで、父の変化を感じるようになりました。
その変化は、「キャッシュカードの暗証番号を忘れてしまい、銀行届け出印で50万円以上の現金を引き出したものの、それを家のどこにしまったかを忘れてしまう」といったことでした。
その変化があまりに衝撃的だったんで、市の包括支援センターに相談し、ケアマネージャーさんを紹介してもらい本格的に介護保険を活用するようになりました。介護保険を活用するためには、主治医の意見書が必要になります。そこで、ケアマネージャーさんから高齢者の「認知症」に詳しい医師を紹介してもらいました。このときに紹介していただい医師のおかげで的確に介護保険を活用できるようになったと思います。
親の変化に気づくことがなければ、公的支援を受けることなく、不自由な生活を父に強いていたかもしれません。
「まぁ、大丈夫でしょ。」といった楽観的な見方をせず、小さな変化を見逃さないことが大切です。
時間を作って、親と話すこと
親の変化に気づいた後は、とにかく時間を作って親と話すことが大切だと感じています。オレオレ詐欺も日頃話す機会を持つことが被害を未然に防ぐ有効な手立てだと言われている通り、短くてもいいので時間を作って親と話すことを心がけるべきでしょう。
「どうしてる?ごはん食べた?」程度の会話は30秒もかかりません。しかし、この30秒を惜しんではいけないと思うのです。
「忙しいから」とか「バタバタしていて」といった事情もあろうかと思いますが、私の経験では時間を作って話をすることが、親の安心感につながっている実感があります。
誤解を恐れずに言うと、高年齢者の親はある意味小学校低学年の子供に戻っているような感じです。そういう子供が独り暮らしすることはありませんが、あたかも、子供が独り暮らししていると思えば、時間を作って話すことは重要だと、私は考えるのです。
独りでかかえこまないこと
介護の問題は、実家に通える範囲に住んでいる子供が負担を抱えがちになります。私の場合、兄弟が実家から遠く離れて暮らしているため、実家まで45分ほどで行ける私が主に介護にあたっています。平日は公的介護の支援を受け、週末に介護しています。
週末だけとは言え、毎週となると、時には負担感を感じてしまうことがあります。私の場合よりも重い介護にあたっている方もいらっしゃると思うと、まだまだだと思うときもありますが、辛い思いをすることも多々あります。
父の主治医から言われた一言が今も私の心の支えになっています。
「お父さんのことも大事だけど、あなたの人生も大事だよ。だから、独りで抱え込まないこと。ケアマネージャーさんやヘルパーさんを頼ってもいいし、遠く離れている兄弟にもたまには実家に戻ってきてもらうようにお願いしてみるといいよ。」
なんとなく自分がやらなければいけない、という思いがあったのですが、この一言でずいぶん楽になりました。頼れるリソース源には頼ってもいいのだと気持ちを切り替えることができたからです。
まとめ
このブログはいつもキャリアに関することをお伝えしてきました。しかし、親の介護とキャリアの両立ということも、キャリアを考えるときに見逃してはいけないテーマだと感じるようになりました。
本日お伝えした3つの心構えは、私が経験したことをもとにしています。参考になれば幸いです。
今まさに介護にあたっている方、これから介護にあたる可能性がある方、いずれの方にとっても、自分のキャリアと介護をきちんと両立できるようになることも45歳からのキャリアを考えるときに重要になると思うのです。
これからは、介護とキャリアの両立についてもテーマとしてお伝えしていこうと思っています。