転職したことを失敗したと感じるとき、自分はこの会社に合わないと思ってしまいがちです。とくに、45歳を過ぎた転職は簡単にやり直しができません。失敗したという思いが、自分を追い込み、あたかも袋小路に追いやられたような心境をつくりだします。
転職を決めたときは、明るい未来を期待していたものの、現実が異なっていると、気持ちが滅入ります。私も転職直後に「失敗した」という思いをもったことがありますので、気持ちを立て直すことに苦労しました。
45歳を過ぎた転職者には、即戦力として成果をあげ会社に貢献することです。そのため、「失敗した」というネガティブな気持ちはなるべく早く取り払うことが必要です。
そこで、今回は私の経験もふまえて、転職後の会社が合わないと感じたときの対処法についてお伝えしたいと思います。
【目次】
耐え難い経験
「隣の芝生は青く見える」と言われるように、転職してしまえば未来は変わると大きく期待してしまうものです。それゆえ、現実が転職前とさほど変化が見られないとき、転職を失敗したと感じやすくなります。
そうなると、目の前の出来事の多くが「苦い」出来事として捉えてしまい、あたかも常に苦境に立たされているように感じてしまいます。
とくに、転職のきっかけの一つに人間関係の悩みがある場合、転職後に転職前と同じような人間関係の悩みが生じるときは、耐え難い失敗感を抱えてしまいます。
実は、私もこのような経験をしたことがあります。これは本当に耐え難い経験でした。
苦い経験にこそ価値があると気づいたきっかけ
この状況を乗り越えるきっかけは、転職後の会社で人脈ができ始めたことでした。
いくつかの社内プロジェクトにアサインされ、他の部門の社員の人と協働して働く機会を得ました。目の前の出来事の多くを「苦い」出来事として捉えていたため、今一つ活動的になれなかった自分が、転職後の会社で人とのかかわりを増やすことで、少しずつ仕事の勘どころを掴めるようになってきました。
ネガティブな気持ちが徐々に取り払われてくると、「苦い」と感じていたことは自分に足りていないことを認識するために必要な経験だったと思えるようになりました。
私の場合、「苦い」と感じた原因は転職することに対する覚悟の足りなさでした。新しい会社で、とにかく結果を出そうという覚悟がお恥ずかしい話ですが足りていなかったのです。
このことに気づいたとき、苦い経験にこそ価値があると気づくことができました。
先輩の助言
転職後に先輩から受けた助言も、ネガティブな気持ちを取り払うきっかけになりました。
「あのさ、お前が今経験している仕事、俺から見ると宝の山だと思うよ。前向きになれていないから、それに気がつかないんだよ。」
「今のお前の状況を野菜作りに例えるとな、土が整った畑があれば野菜を育てることができるけれども、荒れた畑ならば野菜を育てることができません、って言っているようなもんだな。」
「40歳を過ぎて、請われて転職したってことは、ハードな課題を解決してほしいと期待されているはずだろ。目の前は荒れた畑なわけだ。そりゃ、大変だわな。」
「その大変さを乗り越えることは苦しいことだから、転職した会社が合わないって感じているんだろうな。でもな、そこで結果を出すことができれば、それはお前にとって新しい財産になるよな。だから、宝の山なんだよ。」
「肩にチカラが入りすぎているから、少しリラックすることだな。ほんらいのお前のチカラを出せるように、目の前の仕事を一つひとつ丁寧に仕上げていくこと。これが実は近道なんだよな。」
先輩の助言は、厳しくも暖かい励ましでした。転職を失敗したと思い込んでいた自分を乗り越えるためには、目の前の仕事に集中し結果を出すこと、という当たり前のことを再認識したとき、「失敗した」という雑念が取り払われました。
まとめ
経験的なことですが、転職後の会社が合わないと感じたときたときに短絡的に失敗したと結論づけずに、つぎの2点を意識して行動することをおすすめします。
- 転職後の会社で人脈をつくること
- 転職後の会社で、目の前の仕事に集中し結果を出すこと
「失敗した」と思いこむとネガティブな気持ちを自ら作り出してしまいます。自分で自分をネガティブに追い込むことは得策ではありません。
今回お伝えした2つの対処法は難しいことではありません。窮地にいるときにも、この2つを意識して少しずつでも行動することで、徐々にネガティブな気持ちは取り払われます。
転職後の会社が合わないと感じたとき、ぜひ試していただきたいと思います。