転職の面接でうまくいかないというTさん(46歳)から相談をうけました。
面接の応答で転職理由を聞かれたときのTさんの答えが、面接官に良い印象を与えていないようなのです。
「転職理由をこたえるときに、一般的な答えに受け取られてしまうようなのです。「いままでの社会人経験をもとに、御社の〇〇という分野で活躍したい」ときちんと伝えているのですが、最終面接をことごとく通過しないのです。いったい、なにがわるいのでしょうか?」
45歳を過ぎると転職面接に進むこと自体が数少ないチャンスです。そのチャンスを逃がしたくない気持ちから、自分のことをアピールしたいという思いが強くなりすぎてしまうことがよくあります。
実はそのせいで見落としてしまうポイントがあります。転職面接でうまくいかない人の多くは、きまってこの落とし穴にはまっています。
そこで、おすすめしたいのが、面接前に必ず準備しておきたい、面接官に好印象を与える自分の伝え方です。チェックポイントは2つあります。
【目次】
業界、応募先企業と職歴のマッチングの伝え方を準備する
転職の面接で面接官をしていると、「自分ができること」や「自分がやりたいこと」を伝えるだけに終始している人が少なくないと感じます。
45歳を過ぎてからの転職で大切なことは、今勤務めている会社と同じ業界への転職であっても、業界の研究を自分の目線でとらえなおすことです。そのうえで、応募先企業がその業界におけるポジショニングについて的確に情報収集しておくことです。
面接官をしていると、業界研究、応募先企業研究にかかわる事前研究が足りていない人が少なくないと感じます。業界研究、応募先企業研究にかかわる事前研究ができていない人は、つぎにあげるような質問に答えられません。面接を通過する可能性がぐんと低くなりるのです。
「中長期計画を見て、あなたが当社に魅力を感じたことを2つあげてみてください。」
「財務諸表を見て、あなたが課題として捉えたことをあげてみてください。」
応募先企業の中長期計画や財務状況については、把握しておくことが重要です。これらのことに的確に答えられない人は明らかに事前研究が不足しているとみなされます。
中長期計画や財務諸表から、企業が力を入れようとしようとしている事業について財務面からも考察することができます。
45歳を過ぎた転職者には、早期に会社業績に貢献することを期待されます。それゆえに、中長期計画や財務諸表を通して自分が考察した業界や会社の魅力を伝え、それにどのように貢献できるかを伝えることが必要不可欠なのです。
この準備ができていないことは、応募先企業に入社したいという熱意の欠如として相手に伝わります。
冒頭にあげたTさん(46歳)の事例はまさに熱意の欠如が原因で面接を通過できていませんでした。
「御社の〇〇という分野で活躍したい」ということを伝える際に、事前研究を通した自分の貢献可能性を応募先企業が課題としていることに重ね合わせ、熱意をこめて伝えることができていないのです。
面接をうまく成功させるためには、準備の出来にかかっています。事前研究をしっかり行うことが重要です。
【参考:情報収集術についてお伝えした記事です】
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
hiratsukacareer.hatenablog.com
公募されている仕事と職歴とのマッチングの伝え方を準備する
つぎに大切なことは、事前研究をふまえ、公募されている仕事と職歴とのマッチングを整合性をもって伝えるための準備です。
事前研究で自分が考察したことは、自分の言葉として伝えやすくなっているはずです。応募先企業の将来性や公募されている仕事に興味・関心をもったことを、自分の人材力を踏まえて伝えやすくもなっているはずです。
人材力は、基礎力、専門力、再現力、人間力という4つの視点で整理することをおすすめしています。
もっとも意識しておくべきことは、応募先企業の面接官の「この人はよく考えて転職しようとしている。うちに来てくれると活躍する可能性を感じる。」という好印象につながる伝え方です。
この点を意識して自分のことを伝えることができれば、面接を通過する可能性が格段に高まります。
【参考:この転職体験記は参考になります】
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hiratsukacareer.hatenablog.com
まとめ
人事の立場で面接に立ち会うと、この2つのマッチングの伝え方をきちんと準備できていない惜しい人を数多く見てきました。それゆえ、面接前に必ず準備しておきたい2つのマッチングの伝え方は、面接の成否に大きな影響を与えます。
したがって、この準備にしっかりと取り組むことは価値あることです。
自分がやりたいことに着目しがちですが、相手が求めていることはなにか、そして、それに自分が役立つことはなにか、という視点で準備すると、良い結果につながると、私は考えます。