組織マネジメントはとても難しいと日々感じています。組織の単位の大小にかかわらず、メンバーのモチベーションを保ち組織の業績をあげることに頭を悩ませている中間管理職は多いのではないでしょうか。
部下が思うように動いてくれない
どうして先回りして考えてくれないのか
言われたことしかやらない
部下に対する上司の不満の多くは、上司が期待するような動きをしてくれない部下への不信でもあります。
45歳を過ぎると管理職として組織マネジメントに携わることが多くなると思います。不満を抱きながら働くことは健全ではありません。
私自身も部下のマネジメントには試行錯誤を繰り返しているところですが、人事の経験上、部下のマネジメントが上手な管理職には特徴があると感じています。
そこで、部下のマネジメントに関する悩みを小さくする効果的な3つのチェックポイントをお伝えしたいと思います。
【目次】
その1:部下を肯定的に見ている
「できないことを指摘してダメ出しすると、組織のチカラが停滞する気がするんだ。もちろん、ダメ出しは必要だけど、なぜ部下ができなかったかを考えるんだ。」
部下のマネジメントが上手な管理職は、部下のできていないことに対して適切な指示をしています。部下を肯定的に見ていて、「ダメ出し」に終始していません。
子どものしつけと同じように、できないところを指摘することは簡単です。できていることにきちんと目を向けて、できていることを認めることが効果的のようです。
部下にダメ出しする上司がマネジメントする組織は、一見統制がとれているようにみえますが、「ダメ出しされたくない」というマイナスのオーラで包まれていることが多いように感じます。
部下を肯定的に見ている上司がマネジメントする組織は、職場での会話の絶対量も総じて多く活気をおびているため、結果として業績があがっています。
その2:部下に問いかけをしている
「〇〇さんは、どういう仕事をしてみたい?」
「今回はいい仕事してくれたね。つぎにもっとよくなるためにはどうすればいいかな?」
「同じ間違いを繰り返さないために、どんな工夫ができるかな?」
部下のマネジメントが上手な管理職は、とにかく部下に問いかけをしています。上司が直接手を出してしまった方が仕事の仕上がりは早いわけですが、あえて部下に考える機会を与えています。
逆に部下のマネジメントが下手な管理職は細かなマネジメント(マイクロマネジメント)をしています。部下に考える機会を与えるよりも自分の考えたやり方を指示することが部下の成長につながると信じていることが多いように感じます。もちろん、仕事に慣れていない部下に対してはマイクロマネジメントは有効な場合がありますので、完全に否定できません。
部下に問いかけをすることは、部下の持っているチカラを信じ自律的な行動を促します。部下のマネジメントが上手な管理職は、ごく自然に部下に問いかけしていて、結果として、部下の自発的な行動と仕事上の成長につなげています。
その3:部下と雑談している
部下のマネジメントが上手な上司の「部下を肯定的に見ていること」と「部下に問いかけをしている」の二つを支えている行動は、「部下と雑談している」です。
朝の挨拶をはじめ、部下の表情からさりげなく身体の調子を聞いてみたり、上司自ら部下に仕事の進捗を尋ねたりして、とにかく部下との会話の絶対量が多い傾向にあります。
部下と雑談することで、思いもかけず部下が行き詰っている課題を知ったり、部下のアイデアを膨らませたりすることもあります。
部下と雑談することは、部下を知る絶好の機会でもあります。これがないと、部下を否定的にみたり、部下に細かな指示を出してしまいがちになると感じています。
まとめ
組織マネジメントに正解はありませんが、組織に所属するメンバーとのかかわり方の王道はあると私は考えます。
今回お伝えした部下のマネジメントに関する悩みを小さくする効果的な3つのチェックポイントは、まさにその王道だと感じています。あくまでも私の人事の経験上ですが、これら3つができている管理職がマネジメントする組織は業績もよく、組織内の人間関係にかかわる問題が生じる率が低いからです。
組織マネジメント力は、組織として業績をあげつづけるという【再現力】の表れです。
45歳を過ぎたビジネスパーソンが身につけていれば、人材力としての価値も高まります。
3つのチェックポイントを続けてみると、組織マネジメントでの悩みは小さくなると思います。部下とのかかわり方で悩んでいる方は、是非試してみてください。