45歳を過ぎた転職活動は、しっかりした準備が大切です。30歳代の転職活動とは異なり、そもそもチャンスが少ないわけですから、準備不足で失敗するわけにはいきません。
転職活動にかかわる準備として、多くの人が不安に感じていることは面接の準備です。
面接は、企業側が即戦力としての期待を見極める機会ですが、応募者側も自分との相性を見極める機会でもあります。応募者側が見極めるためには、自分に必要な情報を面接を通した情報収集が重要になります。
面接の場を面談の場と捉えて、積極的にリアルな情報を収集する機会にしたいものです。したがって、面接に臨む際、「自分が必要な情報を得ること」に集中し準備することが必要になるのです。
【目次】
なぜ、「自分が必要な情報を得ること」に集中すべきなのか
45歳を過ぎた転職では、転職を繰り返すことはおすすめできません。
転職後3日で相性が合わないということになったら、ほんとうに悲劇です。そうならないために、転職を希望する会社で自分の知識や経験といったスキル面での相性に加えて、ともに働く人や企業風土との相性に関する情報が必要となります。
「自分が必要な情報を得ること」に集中するということは、自分が想定している仕事やともに働く人や企業風土を「仮説」として捉えることでもあります。
自分はどういう「仮説」をもって面接に臨むのか。
面接の場をただ単に企業側からの質問にうまく答える場とするのではなく、自分の立てた「仮説」を検証する場にすることが、45歳を過ぎた転職活動では必須となります。
相性を軽視してはいけない
45歳の転職では、転職後の組織への適応についても想定しなければいけません。転職後の会社で同僚となる人とうまくやっていけそうか、という「相性」についても確かめことが必要です。
転職はそれ相応のストレスがかかります。転職後の会社で早期に成果をあげなければならないというプレッシャーがあるからです。すべての人との「相性」を確かめることはできませんが、面接で相対する面接官との「相性」から「自分はこの会社の人たちとうまくやっていけそうか」ということを確かめることが必要です。
面接を通して感じる「相性」を軽視してはいけません。
面接終了間際の質問の機会を大切にしよう
「自分が必要な情報」を「仮説」として準備し、自分との「相性」を確かめることが45歳を過ぎた転職活動では重要です。
貴重な面接の機会ですから、遠慮することなく礼節をわきまえて質問しましょう。ただし、質問する場合は、「自分にとって」という視点ではなく、「自分が働いている会社にとって」という視点も忘れないように。新しい組織に迎え入れてもらえる人材であることを伝えられる質問であることが大切だからです。
先日43歳で転職したAさんとお会いしたので、面接で留意したことを伺いました。
Aさんが留意したことは、面接終了間際に、「ほかに何か質問はありますか?」という問いかけを大切にするということでした。
この「面接終了間際の質問の機会」で、自分との「相性」を確かめるために、つぎのような質問をしたそうです。
「面接官の会社や仕事に対する価値観」
「どういうときにやりがいを感じるか」
「会社で働いていて幸せを感じるとき」
「15年先をどうやって創っていきたいか」
Aさんの話を伺って、転職後の会社で働いている人の価値観を知ることを通して、自分の「仮説」として想定した「相性」を確かめることができると感じました。Aさんは、自分と「相性」が合いそうだと感じた会社に限定してこの質問をしたそうです。本気で入社したいと願っているとき、この質問は熱意として面接官に伝わるのでしょう。Aさんは、この質問をして転職した会社で、バリバリ活躍していますから。
まとめ
面接終了間際に「ほかに何か質問はありますか?」と問いかけられたときに、「とくにありません」「大丈夫です」という答えることは得策ではありません。
企業側とすれば、限られた面接の時間で、ほんとうに必要な情報を入手できているのかと疑問に感じますし、質問する応募者と比較すると熱意に欠けるという印象を与えてしまいます。
45歳からの転職活動を失敗しないためには、面接に臨むためにしっかりと準備する。その準備は、「自分が必要な情報」を仮説として捉えることからはじめる。そして、面接の場でその仮説を検証し、ギャップを埋めていく。
45歳からの転職活動を成功させるためには、しっかりとした準備に時間をかけることが大切です。付け焼刃でなく、自分のアタマで考えることが、45歳の転職を成功に導くのです。