45歳を過ぎた転職を実現すべく面接に臨むとき、年齢相応の落ち着きや風格を感じさせることができれば、第一印象に良い影響を与えます。
ビジネスパーソンとしての経験は、時として過信につながります。
私は、過信が原因となって面接の準備を怠り、面接で散々な出来に陥った人を数多くみてきました。
面接の準備で見過ごしがちになるのが、自分の口癖です。それは、話と話の間をつなぐ無意識のつなぎ言葉であることが多く、相手が聞きづらそうにしている原因になっていることに気づかないことがあります。
面接の準備を踏まえ、具体的にどのようなフレーズが相手を聞きづらくさせているかを認識することが大切になると考えます。
そこで、今回は人事の立場で応募者と面接した経験をもとに、話を聞きづらくする三大フレーズについてお伝えします。
【目次】
その1:「ちょっと・・・・」
「ちょっと、質問させていただいてもよろしいですか?」
「新しい仕事に挑戦するときは、ちょっと不安がありますが・・・・」
なにげない質疑応答の中で多用されるフレーズの代表格です。
「ちょっと・・・」という言い回しは、仲間内では許されるものと考えますが、面接と言うフォーマルな場で使うことは好ましいものではありません。
面接の場で「ちょっと・・・・」を多用する人は、「仕事ができそうにない」という印象を強く与えてしまいます。
これといった意味のない「ちょっと・・・・」は、使わないことが得策です。
その2:「ひじょうに・・・・・」
「ひじょうに難しい案件について取り組み実績をあげました。」
「その結果は、ひじょうに残念な結末になりました。」
「調査にあたり、ひじょうに多くの人にヒアリングをし・・・・」
「ひじょうに」というフレーズは、後ろに続くフレーズを強調することを意図して使われることが多いのですが、抽象的な表現にとどまり、具体的なイメージにつながりづらいものです。
面接の場では、むしろ具体的な表現に置き換える方が説得力を伴った表現になります。
たとえば、つぎのような表現に置き換えることが望ましいのです。
「予算規模100億円の難しい案件について取り組み実績をあげました。」
「その結果は、想定していた顧客満足度を得ることができず残念な結末になりました。」
「調査にあたり、200人の人にヒアリングし・・・」
面接という限られた時間では、面接官に具体的なイメージを連想させられるように伝えることが必要です。
日頃からより具体的に、端的にを意識することで改善できます。
その3:「正直・・・・」
「そのときは、正直、難しいと感じていました。」
「正直な話、やれるとは思っていませんでした。」
「私も正直キャリアを変えてみたいと思っています。」
真摯な姿勢を伝えようとしているとするならは、残念ながらまったく逆効果です。
「正直・・・・」と言われても、なにが「正直」なのか面接官側には意図が伝わらないフレーズです。
このフレーズがない方が、話の内容がスッキリして伝わりやすくなります。
「正直、必要ないフレーズ」です。
まとめ
面接に臨む心構えで最も留意しなければならないことは、「相手思い」であることです。
応募者である自分のことを短時間で面接官に知ってもらうためには、面接官が理解しやすい受け答えを心かげなければいけません。
とくに45歳を過ぎて転職しようとしている人が、「相手思い」であることを意識せず、今回お伝えした三大フレーズを多用してしまうと面接を通過することは難しいでしょう。
些細なことではありますが、「魂は細部に宿る」です。
今一度、自分の口癖を見直し、「相手思い」の心構えをもって面接に臨むことが大切だと考えます。