「数ふればここだくの悔いことごごく思ひあがりの一つより出づ」
先日、とある場所でおみくじをひいてみました。おみくじに書かれていることは、それほど気にすることはないのですが、今回ばかりは気になりました。
理由その1:「凶」だったから。
おみくじで、「凶」をひいたことは人生で初めてのこと。おみくじですから、「凶」が入っていることは不自然ではありませんが、まさか入っているとは思いもしなかったのです。さすがに、「凶」を目の前にすると、背筋が凍ります。
理由その2:この歌の意味に思い当たることを経験したことがあるから。
私が転職直後は、まさにこの歌そのものでした。自分が人よりも認められたいという思いが「何をやりたい」「どういう貢献をしたい」という思いよりも先行していました。
おみくじにこの歌の意味が書かれていました。
この歌の意(こころ)は、「数えてみると幾多の後悔すべき事があるが、どれもその元は思い上がりという事だ」という事で、何事につけても過信は身を滅ぼす元であり、謙虚に人の言葉を受け入れ、人の信用を得て、人と和を計り、神意を迎えて事を行うことが成功の道である。常に自分を諌めることこそ一番大切である。
この歌は、40歳を過ぎてキャリアを振り返るときに、謙虚さと人とのかかわりの大切さが大切であるというヒントを示してくれていると感じました。
転職するという決断をするとき、転職前の会社で十分な貢献ができているのか。
転職が実現した後、その会社に貢献できることはなにか。
転職すること、転職しないこと、いずれの選択が自分をもっとも活かす道であるのかを謙虚に考えることが、最終的に納得のいく答えにつながります。
人生の転換期では、過去の失敗体験で学んだこと、後悔したこととしっかり向き合うことが大切だと改めて感じています。自分のキャリアを活かそうと思うならば、自分の心に正直になること。そして謙虚さを忘れないこと。
おみくじで「凶」を引き当てたのは、「自分自身を振り返れ」というサインなのだろうと受け止めています。