昨日につづいて、「【職務経歴書の書き方】40歳を過ぎたキャリアの転換期を実りあるものにするための3つの視点、その2」と題して、ヒューマン・スキルについてお伝えします。
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職務経歴書に自分の強みと弱みを書くときに、具体的な事実にもとづいて端的に、且つ、客観的にとらえることが必要となります。
仕事は一人単独で完成できるものではありません。複数の人との協業によって創り上げられるものです。それゆえ、人とのかかわりに必要となるスキルについて、どのような強みと弱みがあるかを客観的にとらえることが重要です。
たとえば、他社との協調するチカラがあることを強調しても、そのことを証明する具体的な事実がなければ説得力はありません。具体的な事実がなければ、面接のときに、化けの皮がいとも簡単にはがれます。
ヒューマン・スキルは、人間力に通じるチカラです。人材の価値を決める重要な要素でもあるヒューマン・スキル。
どのような観点で捉えるとよいでしょうか。
【目次】
人材を見極める公式
人材を見極める公式があります。
{(基礎力)+(専門力)+(再現力)}×(人間力)がそれにあたります。
強みと弱みを把握するためには、自分の業績を丁寧に棚卸することが必須とお伝えしました。昨日お伝えしたコンセプチュアル・スキルは、この公式では(再現力)につながるものですが、今日お伝えするヒューマン・スキルは、(人間力)につながるものです。
公式をみるとわかるように、(人間力)が極めて重要な意味を持っています。
仕事にかかわる(基礎力)、(専門力)、(再現力)がどれだけ高くても、(人間力)が低かったり、マイナスだったりすると、すべてがマイナスになります。(人間力)が低かったり、マイナスの人は、職場にいるだけで雰囲気が悪くなる人です。
(人間力)を左右するヒューマン・スキルですから、自分の強みと弱みを客観的に知ることが重要になるのです。
ヒューマン・スキルという視点
40歳を過ぎた転職では、その人が仕事にかかわることで会社の付加価値が増大することを期待されます。仕事の仕組みを創り上げることに加えて、職場の雰囲気や士気を高めることも期待されると言えます。
第2の視点は、他者と協業する力であるヒューマン・スキルという視点です。
ヒューマン・スキルも、つぎの観点(7つの力)で捉えてみることをお勧めします。
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コミュニケーション・スキル(対話力)
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ヒアリング・スキル(傾聴力)
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プレゼンテーション・スキル(提案力)
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ネゴシエーション・スキル(交渉力)
- ファシリテーション・スキル(協働力)
- リーダーシップ/コーチング・スキル(統率力・指導力)
- セルフマネジメント・スキル(自己管理力)
自分がかかわった仕事について、それが完成するまでのプロセスをプロジェクトとみなして棚卸し、この7つの力に基づいて、自己評価してみます。
どのように7つの力が発揮されたか、「◎、〇、△、×」や、点数化してみると、その濃淡が明確になります。
ヒューマン・スキルとして挙げた7つの視点のうち、いずれも他者とのかかわりにおいて、どのようなパフォーマンスをあげてきたかが明確になるはずです。そして、転職後に期待されているポジションと照らし合わせたとき、自分がその役割を担うに相応しいヒューマン・スキルを身に付けているか見極めます。
たとえば、リーダー的な役割が重視されるならば、リーダーシップ/コーチング・スキルについて強みとして伝えられるか否かが大切になります。プロジェクトマネジメント的専門職であるならば、ファシリテーション・スキルについて強みとして伝えられるか否かが大切になるのです。
ヒューマン・スキルは、自分が主体となって体験した事実をもとに、自分の強みと弱みを言語化することが重要です。傍観者として体験した事実を、あたかも自分が体験したことのように語ることは可能ですが、それは説得力に欠けるものになるため、職務経歴書や面接で、採用側の目に留まらないでしょう。
まとめ
コンセプチュアル・スキルと同様に、「自分の経験」が重要になるわけですが、ヒューマン・スキルを「自分が主体となって」駆使したことを踏まえて強みと弱みを言語化することが大切です。
ヒューマン・スキルに不足感を自覚する場合、転職は相当慎重になるべきです。
(人間力)にもつながるコンセプチュアル・スキル。実際に発揮したものでなければ、転職後の信用失落となり、最悪、行き場を失うからです。
したがって、ヒューマン・スキルについても、7つの力をもとづいて丁寧に振り返ることで、自分のキャリアの転換期を見誤らない選択ができるのです。
じっくりと自分を振り返ってみましょう。
予告
明日は、第3の視点として、テクニカル・スキルについてお伝えします。