「この人、ほんとうに転職したいのかな?」
「どうして、こういう書き方になるのかな?」
エントリーシートを読んでいるとき、書き方で損していると感じることがよくあります。40歳を過ぎてからの転職では、圧倒的に不利になるので、気持ちを込めてエントリーシートに取り組まなければいけません。
たくさんのエントリーシートの中で、キラリと光るためには少なくとも見映えには気を配る必要があります。見映えは、初対面の人に対する礼儀ですから、最低限のマナーとも言えます。
たとえば、エントリーシートの紙質、印刷インク、字の大きさ、写真などに気を配ることは、初対面で身なりを整えることと同じくらい大切なことです。
もっとも、見映えだけ通用するほど現実は甘くありません。
なんとしても、会ってみたい!と思わせるエントリーシートを書き上げないといけません。
【目次】
会ってみたい!と思わせるには
会ってみたいと思わせるエントリーシートに共通することは、応募者の可能性が感じられることです。
応募者が自分の知識や経験を活かして再現性のある貢献につながる可能性があるか否かが、内容から感じられるのです。
端的に言えば、くぐり抜けてきた修羅場のことが書かれていることが必要です。修羅場とは、苦難を乗り越えた経験です。そこで身につけたチカラは一生の宝になり、その人のビジネスパーソンとしての再現力に通じるものとなります。
この再現力が伝わることが、「会ってみたい!」と思わせることになるのです。
具体と抽象を使い分ける
修羅場が書かれていても、書き方に気をつけなければいけません。自分の経験を具体的に書くだけでなく、抽象的に書くことも必要です。
具体的に書くことが推奨されるがゆえに、細かく書き過ぎて、伝えたい自分の強みが不明瞭になることは避けなければいけません。
抽象的に書くこととは、具体的に書かれた伝えたい自分の強みを要約して書くことです。具体的な経験はどういうチカラであるかを要約するのです。
具体と抽象を組み合わせることで、エントリーシートを読む側の読みやすさは格段に上がります。抽象的に書くことで「伝えたいことの概要」を知ることができ、具体的にかくことで「伝えたいことの詳細」を知ることができるからです。
まとめ
40歳を過ぎた転職では、ビジネスに必要な基礎力と専門力は備わっていることが前提となります。そこで、再現力と人間力の2つが、読まれるか否かの決め手になります。
再現力については、先に書いたことに気を配ることが必要ようですが、人間力についても配慮が必要です。
冒頭にも書きましたが、読み手を意識することで、人間力が伝わります。
たとえば、自分の書きたいことを段落分けせず、文字をびっしりと書いてあるエントリーシートを良く目にします。このようなエントリーシートは、明らかに読み手への配慮が不足しています。そして、このような配慮ができない人は、リアルな仕事の場面でも他人への配慮ができない人、つまり、人間力が低い人という判断につながります。
人材要件は、{(基礎力)+(専門力)+(再現力)}×(人間力)によって見定められます。
エントリーシートの書き方に、ほんの少しだけ心配りすると、再現力と人間力をより魅力的に映し出すことができます。
ほんの少しの心配りのポイントは、「読み手への配慮」をもとにした「具体と抽象を組み合わせる」ことです。