転職は、自分の可能性を広げる機会になります。
自分の今まであげてきた実績を評価され、より高いレベルで仕事をする機会になったり、自分の専門性を深める機会になったりするからです。
自分がやりたいこと、ありたい姿、転職先会社に貢献できることが明確である場合は、転職先で苦しいことがあったとしてもやっていけると思います。
転職はあくまでも手段であって、目的ではありません。
人事の仕事をしていると、転職希望の方からの相談を受けたりします。
最近、好景気に後押しされて、中高年の転職市場も活況をおびているなかで、転職が目的化してしまっている方からの相談もあったりします。
転職が目的化するということは、とにかく今の会社から逃れるということを第一優先にしている場合だと思います。(労働環境が劣悪であったり、ハラスメントが横行するような会社の場合、自分の心身の安全を守る必要があります。この場合、緊急避難的に転職することを目的化することはアリだと考えます。)
しかし、これ以外の状況で転職が目的化すると、転職後に頭を悩ませることに出くわす可能性が高まります。なるべくならば、良い転職にしたいものです。
そこで、今回は「これだけはやってはいけない3つのしくじり転職」についてお伝えします。
【目次】
テンションが落ちているときの決断
転職は、一大決心を伴います。とくに中高年の場合、転職した後に「しくじった!」と感じても、リカバリーする時間的余裕が少ないため、慎重にならなければいけません。
転職する理由の一つに、「自分が認められない」と感じることが挙げられますが、この状態のときは自分のテンションが下がりがちです。メンタルのバランスが悪くなっているときとも言い換えられます。
こういうとき、「あなたのチカラを必要としています!」という誘い言葉に心を動かされてしまうことがあるので要注意です。本当にやりたいこと、ありたい姿と方向性が合っていない会社からの誘い言葉であっても、その会社が一瞬自分のやりたいこと、ありたい姿に近いと錯覚してしまうからです。
中高年の転職市場が動いていると言え、とくに40代の転職では自分のテンションが下がっているときは、冷静な判断がしにくくなります。したがって、こういうときに決断する転職はしくじりにつながります。
特定の誰かが気に入らないことを理由とする決断
「職場での人間関係」は転職理由の上位にあがります。たしかに、毎日顔を合わせる上司、同僚、部下等と良好な人間関係を築けていないと、会社に行くことが億劫になり相当な心理的負担を感じてしまいます。
そんななかで、「特定の誰かが気に入らない」から転職することはしくじりの素になるので、避けなければいけません。なぜか転職先の会社でも「特定の誰かが気に入らない」が現れてくるからです。
これは、自分のなかで「特定の誰かが気に入らないと感じる理由」が整理できていないから起こります。自分の人との接し方に特徴的なクセがあるかもしれませんし、コミュニケーションのとり方に課題があるかもしれません。
いずれにせよ、なぜ「特定の誰かが気に入らない」と認識するのかを把握しておかないと、同じ状況が繰り返し目の前に現れます。
したがって、自分のなかで「特定の誰かが気に入らないと感じる理由」が整理できていなければ、それを理由とした転職はNGです。
職場における人間関係は複雑な問題ですから軽視できません。しかし、100%人間関係に満足できる職場で働くことは現実問題として難しいことも事実です。
40代を過ぎて転職する場合は、自分が職場における人間関係の何に悩んでいるのか、理由をしっかりと把握しておく必要があります。それがなければ、転職のしくじりにつながってしまう恐れがあるからです。
自分のフィーリングのみに頼る決断
「なんとなく自分に合っていると感じました。」
「ビビッとくるものがありました。」
こういう理由で転職先を決めてしまうケースがあります。確率的に上手くいくケースもあり得ますから、必ずしも否定しません。しかし、こういう場合、転職先会社のことをしっかりと調べていないことが原因で、転職後にミスマッチを起こすことがあります。
「そんなこと、あるの?」と思われるかもしれませんが、こういうケース、ほんとにあります。
あたりまえのことですが、40代を過ぎた転職を、自分の感覚だけに頼るのは危険です。転職を早く決めたいという一心が影響しているため、冷静になるために少なくとも転職先会社の業態、業績、店舗等の現場を自分の目で調べないと、しくじりにつながります。
まとめ
40代を過ぎた転職は、20代や30代の転職よりも、自分のキャリアにプラスになり、人生が豊かになる転職にしないともったいないです。
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自分がやりたいこと
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自分のありたい姿
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自分が転職先会社に貢献できること
すくなくとも、これら3つを自分の言葉で伝えられないと、40代を過ぎた転職はしくじります。
自分の言葉で伝えるためにはは、少なくとも転職前の会社で自分のチカラを出し切って実績を上げた経験、そして、そこから得た知識・スキルの汎用性を丁寧に棚卸ししておく必要があります。
転職は、自分の未来を切り拓く有効な手段です。
自分の未来を切り拓くためにも、自分の過去を丁寧に掘り下げ、そこから見えてきた事実を将来の可能性と関連づけるための準備に手を抜いてはいけないと考えます。手を抜くと 転職をしくじる可能性が高まります。
より良いキャリアを築くためにも、しっかりと「自分の振り返り」が大切です。そうなれば、自分のキャリアを自分の言葉で迫力をもって伝えることができるようになります。
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