仕事を自分で抱えてしまう人がいます。私も実はそうでした。
部下に任せきれず、結構自分で抱えて仕事してました。
プランニング系の仕事は、部下に任せても、仕上げは自分で抱えてました。
任せても手戻りすることが多く、結局、自分でやった方が早いからです。
ほかにも、議事録作成も任せきれませんでした。他の人に任せると、記録の仕方が気になり、結局、自分が仕上げることになるからでした。
このスパイラル、職場ではよく見かけませんか?
部下に経験を積ませることが必要だとわかっていても、求められる成果を考えると時間がない。
仕上げられないと、自分の責任が問われる。
ゆえに、自分で抱えてしまう。
40代で部下がいる人は、任せきれないジレンマに悩まされるものです。
業績も上げたいし、部下も育ってほしい。
そんな願いを叶えるには、どうすればいいでしょうか?
【目次】
任せきれない原因
私の場合、自分の責任を問われたくないという狭い考えが原因でした。
任せた仕事のアウトプットが思わしくない。
資料が要領を得ない。
自分の基準でOKサインを出せるレベルに至らない仕事を、そのまま使うことは自分の存在価値を下げることにつながる。つまり、自分の責任を果たすために、自分が仕事を抱えるという選択をしたのです。
もっとも、この選択によって、自分の気持ちが満足することは、ほぼありませんでした。
任せないことで失ったもの
自分で抱えて仕事しても、満足感を得られないばかりか、自分の時間を失いました。自分の時間をしっかり確保できないと気持ちの余裕も失います。自分がやってあげてるんだ、というおこがましい気持ちを持っていたと思います。
言葉にしていなかったですが、表情や態度に出ていたはずです。
その結果、部下の信頼を失っていました。そればかりか、部下が仕事を経験する機会も作れていなかったのです。
モンモンと悩んだ経験、わかったこと
失うものが多いと、さすがにマズイと意識するようになりました。
モンモンとした気持ちで過ごすことに限界を感じ始めた頃、任せないことで得られるものに目を向けてみました。
すると、
なんでも一人でやってしまう属人的な仕事スタイルの人
部下を信頼できない人
部下に仕事の目的を伝えられない人
というネガテイブな評価を得ていることにきがつきました。
まずい。
このままだと、チームで仕事をする意識に欠けた人材になってしまう。
組織における自分の存在価値を、自ら下げることをしていたことに強い危機感を感じたのです。
自分のことしか考えていなかったという、紛れも無い事実がわかったのです。
行動を変えて、わかったこと
それからは、部下に仕事を任せるようにしました。
当たり前のことですが、部下とコミュニケーションを取り、アウトプットのイメージを共有したら、手戻りも少なくなりました。
何よりも、部下の意識も変わりました。やらされ感ではなく、任されている感で仕事に取り組んでくれるようになったのです。
こんなことなら、もっと早く任せれば良かったと、つくづく感じました。
自分の責任を問われたくないという思いの根底に部下を信頼できないという思い込みがあったのです。
いま思い返しすと、ほんとうに恥ずかしい気持ちで一杯です。
いまでは、仕事を任せてみることは、自分を信じることのようにも感じます。
まとめ
40代は会社では中堅的な存在です。
自分のことだけでなく、組織のことを全体最適意識でとらえることが求められます。
そのためには、自分が抱えた方が早く仕上がる仕事であっても、部下に任せて、長いスパンで組織全体の底上げを図る行動が必要になります。
会社は、仕事を抱え込む人を評価しません。
仕事を任せきれないジレンマが、部下を信頼できなかったり、部下に仕事の目的を伝えられなかったりすることが原因になっているとしたら、そのような行動を変えてみることをおすすめします。
具体的には、つぎの視点を参考に行動を変えてみると効果的です。
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部下に仕事の到達点(ゴール)と納期を伝える。
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部下が得られるメリットを自分の思いとして伝える。
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到達点(ゴール)までのプロセスは部下に一任する。
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自分から部下とコミュニケーションの機会を設ける。
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細かいことに気がついても、自分の意見を細かく言わない。部下に考えてもらうきっかけを質問によって創りだす。
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適切なタイミングで相談しやすい雰囲気を作る。仕事を部下と一緒に創り上げていくという雰囲気を部下に感じてもらう。
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完成したら、一緒に喜ぶ。
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仕上がった仕事に関するマイナス評価は、自分が引き受ける。
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仕上がった仕事に関するプラス評価は、すべて部下に渡す。
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部下と「つぎにつなげるために、どうすればもっとよくなるか」を共有する。
部下を信頼して、マイクロマネジメントしないという覚悟と、自分から部下と話す機会を設ける行動が大切になります。
仕事を任せることができれば、本来自分が担うべき仕事に取り組むことができますし、部下も成長していきます。
結果として、組織業績の向上につながるのです。
組織業績を上げられる人材は、「存在価値のある人材」です。
仕事を自分で抱えず、「存在価値のある人材」を目指してみませんか!