「自分では行きたい部署を伝えていたのに、人事はまったくわかってない!」
「なんで、あの人があの部署なわけ? 理解できない。」
「これじゃ、自分の専門性が積みあがらないし。」
人事異動。
自分の希望している部署にいける場合とそうでない場合で、働く意欲が大きく変わると一般的には言われています。
考えてみれば当然です。
希望していない部署で働くことは、自分の好奇心を刺激する機会が少ないため、働く意欲が減退する可能性が高いからです。
45歳を過ぎてから人事異動は、若いころのそれに比べると、「自分が大切にされているか」を自己判断することが多くなります。
希望していない部署への人事異動は、あたかも自分の存在をないがしろにされたかのように感じてしまうためです。
私も希望していない部署に人事異動させられたときは、働く意欲が落ちたことがあります。そのときは、仕事に前向きになれませんでした。また、「人事異動があった」という事実であるにもかかわらず、「人事異動させられた」といった意識をもったことがあります。
すぐに会社を辞めることはできませんでしたが、「くすぶり」続ける時間を短くすることができて、意識を転換することができました。
「くすぶり」続ける時間は、なんとか短くしたいものです。
そこで、今回は、希望していない部署へ異動を命じられたときに自分の気持ちを3段階で整理する思考法をお伝えします。
【目次】
- 1.自分が創り出し実績・結果を具体的に掘り下げる
- 2.自分の取り巻く環境変化を先読みする
- 3.「くすぶり」続けることで得られること/失うことを認識する
- 4.まとめ 45歳を過ぎているからこそチャンス!
1.自分が創り出し実績・結果を具体的に掘り下げる
職場は、実績・結果を出す場です。サラリーマンであれば、会社が利益を生み出すために実績・結果を出して貢献していくことが求められます。
希望しない部署へ異動を命じられたときこそ、今までの経験を結晶させる時期ととらえることをおすすめします。
第一に、今まで自分が創り出した実績・結果をつぎの観点で掘り下げてみましょう。
①どのような行動が実績・結果につながったか
②どのような考え方が実績・結果につながったか
③どのような経験・スキルが実績・結果につながったか
いままでの自分を掘り下げることは、できることを認識できるとともに、足りないことも認識できます。つまり、この両輪を回して、希望しない部署で実績・結果を創り出す機会にするのです。
2.自分の取り巻く環境変化を先読みする
第二に、自分を取り巻く環境について、これからの3年後に想定される変化を先読みしてみます。キャリアを現時点で捉えることなく、長いスパンで捉えるのです。
3年後が難しいかもしれません。その場合は、1年後でも構いません。今とは異なる変化があるはずです。その状況を思い浮かべ、自分は何ができているかをイメージするのです。
すなわち、今まで自分が創り出した実績・結果も踏まえて、自分を活かすことをイメージすることになります。
希望しない部署へ異動を命じられた時点で、気持ちは落ち着いていないと思いますが、あえて自分の人事異動を意味あるものとして位置づける機会にするのです。
3.「くすぶり」続けることで得られること/失うことを認識する
第一、第二の各々のステップを経ても、納得がいかない場合もあることでしょう。
その場合、最後に、仮に自分が「くすぶり」続けることで、「得られること」と「失うこと」を整理します。
たとえば、「得られること」として、自尊心を傷つけられることで自己承認できる、動き出さなくてもよくなる、が得られます。また、「うしなうこと」として、自信や実績・結果が伴わないことによる信頼が挙げられます。
どちらが自分にとってベストであるか、第一と第二のステップを踏まえて、今一度自分の気持ちに問いかけてみるのです。
4.まとめ 45歳を過ぎているからこそチャンス!
45歳を過ぎてからのキャリアは、充実させなければいけません。
45歳を過ぎて希望していない部署へ人事異動を命じられたとき、「くすぶり」続けることも「あり」だと思いますが、期限を決めることが必要です。
人事異動を覆すことは、余程のことがないかぎり不可能でしょう。
自分のチカラで状況を変えることができないならば、それを一旦受け止めてみることが大切になります。
そして、自分にとって意味のある機会にすることで、健全な気持ちを保って仕事を続けられる道を選択してみませんか。
人事に携わる立場の経験で一つ言えることがあります。
希望していない部署に人事異動させられた人のうち。気持ちを入れ替えて仕事に取り組んだ人は、プロフェッショナルとしての器が広がって、「機能人材」になっています。
守備範囲が広がり、応用できる知識・経験の幅が広がるからです。
そう考えると、希望していない部署に人事異動させられたときこそチャンスになりうるのです。
つまり、45歳を過ぎてから「存在価値のある人材」になるチャンスにもなりうるのです。
自分の存在価値を確かめることを通して、自分のキャリアを、そして、人生を充実させていただきたいと願っています。