「なんなんだ、この人事異動は!これじゃ、左遷だよ。」
人事異動は悲喜こもごもです。誰もが自分のやりたい仕事をやれることを夢見ているわけです。
左遷だと感じる異動は、自分で納得できないものです。しかし、誰にその思いをぶつけていいものか見当もつかず、悩まれている方がいます。
左遷と感じることは、とても辛いことです。
私も自分が全く評価されていないと感じる人事異動の内示を受けたときは、しばらく動けませんでした。やりたくもない社宅管理の仕事を任されたときだったからです。
そして、お約束のように何もやる気になれず、ただ一日をやり過ごしていく毎日を過ごしたことがあります。
そんな自分に嫌気がさしたころ、あることに気づき、乗り越えるきっかけをつかむことができました。
そこで、今回は、自分が左遷させられたと感じるとき、それを克服する3つのステップについてお伝えします。
【目次】
1.なぜ、左遷と捉えるか理由を知る
「ポストから外された」「閑職に追いやられた」
左遷と捉える理由はいろいろあるわけです。
あるとき、「なぜ左遷と感じているのか」と考えてみました。
自分を振り返ると、つぎのことに気がつきました。
- 自分の経験が活かされていない
- 自分が軽視していた仕事であった
- 誰からも「左遷」だと思われているに違いない
ようするに、自分が見たくない、認めたくない自分に気がついたのです。
そこで、つぎは、どうしようかということになりました。
2.どうしたいか、確認する
まず、世の中で成功していると言われている方々で「左遷」から這い上がった方について調べてみました。
そうすると、今や大活躍されている池上彰さん、ライフネット生命の出口治明さんも「左遷」を経験されたのち、現在の活躍の場にいらっしゃることがわかりました。
これにはとても勇気づけられました。
自分ができることはなんだろうか?という考えはじめるきっかけになったからです。
自分がとれる選択肢はなんだろうか
- ひたすらいじけつづける
- 自分にできることをみつける
この両者のうちいずれかだという、あたりまえのことに気づいたのです。
私の場合は、今まで手つかずだった仕事を探してみました。
そうすると「海外給与の改定」「社宅制度の改定」という仕事があることに気づきました。
この二つは、社員にプラスの影響がない場合があるため、手つかずだったのです。
そこで、自分が活躍できない状況ならば、活躍できる場をつくってみよう、という考えにいたりました。
3.実際に動いてみる
「やろう」ということが決まったら、「海外給与」「社宅制度」を改定するための工程を考えてみることにしました。
そうするなかで、自分が今まで知らなかったことを知る機会に出会えたのです。
たとえば、「海外給与」では海外子女教育の現状や日本との物価差が与える影響、「社宅制度」では敷金が経営に与える財務的インパクトや地域による商慣習の違い等です。
知らないことを知ることによって、「好奇心」がわいてくることを実感しました。
「好奇心」がわいてくると、あたりまえですが、仕事の組み立てが楽になりました。
「楽」とは文字通り「たのしむ」ことと「クリエイティブに、前向きになる」ことの両方がわいてきたという感じです。
動いたからこそ、「自分ではつまらない仕事だと感じていた仕事にも、意義があることを見いだせた」という実感したのだと思います。
4.まとめ
自分が思うような処遇になっていないとき、自分を肯定することはとても難しいことですよね。
動けない自分がいることを認めたくない、という状態を脱するには相当時間を要するとも思います。
とくに45歳を超えて、「左遷」ということを感じると、挽回が効かないと感じてしまうこともあるかもしれませんね。
動けないときは、何をすればいいかわからないと思います。
今回は、私の経験をもとに、それを乗り越える3つのステップをお伝えしました。
「理由を知る」→「どうしたいか、確認する」→「動いてみる」
この3つのステップのうち、「理由を知る」というステップで、自分の気持ちによりそってみることが大切だと思っています。
そこで、感じた自分の気持ちを否定せず、いったん受けとめ、「どうしたいか、確認する」。つまり、今の状態を続けていたいか、いたくないかを確認するのです。
続けいたくないならば、できることから「動いてみる」。
この3つのステップで、仕事にたいする「好奇心」を取り戻すことができます。
「好奇心」を取り戻せたら、きっと活力ある自分を取り戻すことができますよ。