本日(8/19)、東京都が運営するTOKYO創業ステーション Startup Hub Tpkyo で開催された ”xTech Innovation!! HRTech(人材×テクノロジー)” に参加してきました。
HRとは、Human Resourceの略で、それをテクノロジーの力で進化させるイノベーティブな取り組みの話を聞いてきました。
人事は、経営戦略そのものであり、人事にかかわる仕組みをテクノロジーをうまく使いこなすことで、人的資本管理[HCM(Human Capital Manegement)]につなげる潮流が進化しています。
アメリカでは、このHRtechにかかわるベンチャービジネス数多く創業しているようで、ビジネスの世界でも注目されているようです。
日本でも、経済産業省でも働き方改革の第2ステージとして、「生産性向上」「柔軟かつ多様な働き方の実現」「人づくり革命」が検討されていることから、近い将来、人事の領域におけるテクノロジーの進化が進むことを予感しました。
この流れを止めることは難しいでしょう。そうなると、10年後に、どういう人たちが、必要な実務家として企業に残っているのだろうか、考えさせられました。
【目次】
1.採用におけるHRテクノロジーの進化
新卒、中途採用において、HRテクノロジーが最も活用されている領域です。たとえば、適性検査には統計学や心理学等の学術的なバックグラウンドが反映されています。
これにより、採用時面談に確認しておくべき項目、配属先として適している部署、入社後の育成で留意すべき事項、等々、様々な情報が整理されます。いずれも、企業を動かす原動力となる人について、科学的なアプローチにより可視化された情報をもとに活用する仕組みが完成しているとも言えます。
したがって、適性検査を経て面接がある場合、これらの情報はすでに企業側に渡っていることになるので、面接時の勢いでその場を乗り切ることは難しくなるとも言えます。
企業が求めるであろう別人格になりきって適性検査に臨めば良い、とまことしやかに言われますが、面接では見抜かれると思っていた方がいいでしょう。適性検査結果からひもとかれる確認事項と面談時の受け答えに矛盾が生じるからです。とくに、採用面接で面接官を数多くこなしている人事パーソンならば、その矛盾を即座に感じ取ることができます。
2.どうしてHRの領域にテクノロジーが必要なのか
HRの領域では、採用のほかに、定型的な給与計算や労務管理について、今後ますますテクノロジーが進むはずです。人が手間暇かけなくとも正確な情報がアウトプットされる仕事に適用されるからです。その結果、貴重な人材を企業の業績を向上させる仕事にシフトすることが可能になります。今後、労働力不足が見込まれるなか、必然的な流れだと思います。
他方、人事が取り扱ってきた情報について、人事以外の部門とも共有する動きが出てくると思います。もちろん、個人情報にかかわる情報の秘匿性や共有する側の守秘義務の徹底が担保されなければいけませんが、人事と経営が近しい関係になるからには、現場においても、人事にかかわる情報を必要な範囲で共有し、企業の業績向上につなげる必要があるからです。
たとえば、適性検査から社員の組み合わせ(上司と部下等)やチーム編成を考えたり、集合的な教育訓練ではなく個別の教育訓練の設計が必要となってくるでしょう。
テクノロジーを活用して人事情報にアプローチすることで、客観的な根拠をもとにしたHRマネジメントが実行されてくるはずです。
組織力をあげて企業の存在価値と業績を向上させなければ、生き残ることができません。したがって、HRの領域にテクノロジーが必要になってくるのです。
3.まとめ
10年後に必要なHRパーソンは、当たり前すぎますが、テクノロジーでは対応しきれない領域を担える人材でしょう。
具体的には、人事にかかわる修羅場経験があり、かつ、人の可能性を信じることができる人材だと考えます。
人事にかかわる修羅場とは、人事パーソンでもなるべくならば携わりたくない仕事経験(退職勧奨、降格宣告、人事争議等)を自分が取り仕切った経験です。このような場面では心を鬼にしなければなりません。経営する上で、しかるべく対応せざるを得ない場面を回避できないときがあります。そのとき、覚悟をもって仕事に取り組んだ経験が求められると考えます。
そして、「人」は適切なきっかけがあれば、変わることができる、という可能性を信じる気持ちが必要だと思うのです。人事にかかわるテクノロジーが導き出した結果を受け止め、「人」が活力を取り戻す方策や自分の存在価値を確かめられる道筋を組み立てられる能力が求められると考えます。
人事は、一人ひとりの「人」と向き合い、企業業績を上げ、経営が続くことに貢献することが役割だと考えています。
”xTech Innovation!! HRTech(人材×テクノロジー)” に参加して、感じたことをツラツラと書いてみました。