転職エージェントの広告をよく目にするようになりました。そして、今日もマイナビ転職EXPO2017という転職イベントが東京国際フォーラムで開催されていました。
7月から、転職市場が大きく動き始めていることがわかります。2017年度の第一四半期が終わり、下半期の展望して、企業が中途採用に本腰を入れ始めていることがわかります。
転職は、何かのきっかけから考え始めることでしょう。
年齢にかかわらず、転職のきっかけは、2つに分類されると考えます。
自分の成長につながる転職と現状の不満や不安を解決する転職です。
私は、「転職」によって、働くことの満足度や納得度が高まるならば、いずれの転職もありだと考えます。
いずれの場合も、自分でキャリアを切り拓くという点で、覚悟と勇気が必要です。
私は、43歳で転職を決断したとき、決断までに2か月間も悩みました。
なぜなら、転職のきっかけが、「自分の成長につながる転職」と「現状の不満や不安を解決するための転職」のいずれにも当てはまるものだったからです。
その結果、悩みの「どつぼ」にはまり、思考が同じところをグルグル周ってしまいました。2か月もの間、「転職しよう」「転職を断念しよう」を行ったり来たりしている感じでした。
今思えば、その悩みの原点を整理できていなかったのです。
転職には「35歳の壁」があると言われています。ゆえに、45歳を過ぎて自分のキャリアを自ら変える転職は簡単なことではないと思われています。
したがって、45歳を過ぎて転職すべきか悩むならば、つぎの2ステップを通して、冷静に転職で得たいことを整理することが大切です。
【目次】
1.そもそも、なぜ転職すべきか悩んでいるのか
60歳定年を前提にすると、45歳の人には社会人として15年ほどの期間が残っています。
この残された15年の過ごし方次第で、人生の質が決まると言えるでしょう。
転職のきっかけが、「自分の成長につながる転職」と「現状の不満や不安を解決するための転職」のいずれであっても、最初にすべきことは、理想とする15年の過ごし方をイメージすることです。
どういうキャリアを歩んでいきたいと考えているかという根本を見つめ直すことが大切です。
「どうあるべきか」ではなく、「どうありたいか」ということを自問自答することがポイントです。
たとえば、つぎのような自分への質問が有効です。
- 「自分を活かすには、どういう方法や手段があるのだろうか。」
- 「なぜ、自分のキャリアを活かしたいと思うのだろうか。」
この方法で、「そもそも」の理由が明らかになれば、きっかけと連動する原因がわかります。
2.現状を再認識する
会社のミッションや社風が原因ならば、自分の価値観とすり合わせができるか再認識することが大切です。
簡単に言うと、今いる会社が「好きか」「嫌いか」です。
この場合、次にすべきは、どういうミッションや社風の会社が自分の価値観と合うかを再認識することです。「働く」ということに対する自分の価値観を整理することです。
「仕事」が原因ならば、きっかけになっている要因を再認識することが大切です。
簡単に言うと、「今の仕事を変わることで、原因が本当に解消されるか」です。
たとえば、「会社での処遇が変わった」ことが原因ならば、現状の処遇が労働市場において適切であるか、自分の経験やスキルを棚卸したすることが必要です。転職エージェントを介して自分の年収相場を確かめることも一手でしょう。
「職場の人間関係」が原因ならば、それは他の人の支援を得ることで解決できるものであるか否かを確かめることが必要です。
「仕事がつまらない」ことが原因ならば、自分の経験やスキルを活かして仕事を面白くすることができないかを考えてみるのです。
3.45歳を過ぎての選択の先にあるもの
人事の現場で中途採用の面接に携わることがあります。面接のとき、採用したいと感じる人物には共通する特徴があります。
それは、「働くことにかかわる理想や夢」を持っていることです。
「なぜ転職したいのか」「転職した後に、どういう貢献ができるか」
「働くことにかかわる理想や夢」を持っている人は、このような転職後に携わりたい仕事や自分が貢献できることを具体的に伝えてくれます。
「働く」ことにかかわる自分の価値観と積み上げてきた自分の経験やスキルを丁寧に整理することで、理想や夢が明確になります。
私は、45歳を過ぎてからの転職する選択の先にあるものが、「理想や夢」の実現に近づくものであるならば、転職はありだと考えています。
「理想や夢」が明確になって、転職しないということもありだと考えています。
いずれの場合も、残された15年が密度の濃いものになるからです。
逆に、「働くことにかかわる理想や夢」がイメージできなければ、転職という選択をしないことが賢明です。転職した後に「後悔」する可能性が高いからです
「そもそも、なぜ転職したいのか」
「現状を再認識する」
この2つのステップから、自分のキャリアの転換期を見つめ直すことが、最良の選択につながると考えています。