上司として部下と接していると「できるヤツ」と「できないヤツ」の2タイプにはっきりと色分けできます。
簡単にいうと、「できるヤツ」と感じる部下は、先回りして動ける部下です。
会社のなかで「存在感のある人材」になるためには、この先回りして動けているか否かは、重要なポイントです。
そこで、今回は、「できないヤツ」の特徴から逆説的に「できるヤツ」になるための3つの行動をテーマにしていきます。
1.「できないヤツ」になる傾向
実は、先回りして動ける部下でも、任される仕事によっては、成果に物足りなさを感じてしまうことがあります。その仕事が自分の不得意な分野である場合、ついつい後回しにしてしまったり、仕事が粗くなるからです。
と言うことは、だれしも「できないヤツ」になる瞬間があるとも言えます。
そこで、どのようなときに、上司は物足りなさを感じるかを捉えると、「できないヤツ」の傾向がつかめるとも言えます。
私が思うに、つぎの3つが挙げられます。
- 応用がきかない
- 判断を丸投げする
- 意見を後出しする
2.先回りして動かない部下の3つの傾向
2-1:応用がきかない
以前、横浜中華街で飲茶の店を複数経営している社長さんとお話ししたことがあります。
その社長さんは中国から来日され、若い頃から苦労を重ねて創業した経験から、『臨機応変』をとても大切にされていました。
日本人の社員は、マジメだが、過去の事例にとらわれたり、経験を踏まえた柔軟な判断が苦手な人が多いという印象があるとも言われました。
人事の現場にいると、うなずけることが多々あります。
安全志向、失敗回避志向が強いことが影響しているのでしょう。
そうなると、仕事の進め方が前列踏襲型になります。この状態は、作業をこなすことと同じことになります。
したがって、考えていないことがハッキリ上司に伝わってしまいます。
2-2:判断を丸投げする
こういうときは、自分なりの判断軸を持ち合わせていませんので、判断を上司に仰ぐことになります。
もっとも、仰いでいるつもりでも、上司は丸投げしていると受けとるでしょう。
最終決定権がないから、判断できない、と思う気持ちはわかります。しかし、自分の考えが最終決定とならなかったとしても、最終決定に至るためにかかわるという意識が大切です。
すくなくとも、自分の考えた判断を示さないことには「存在感のある人材」にはなれません。
2-3:意見を後出しする
最悪なのは意見を後出しすることです。
ときに、上司も判断を見誤ることがあります。こういうとき、「できないヤツ」は、評論家的に自分の意見を後出しすることが往々にしてあります。
「最初からおかしいと思っていたんですよ。○○ということがありますからね。」
そもそもコミュニケーションに原因があるとも言えますから、上司側にコミュニケーション不全を改善する余地はあります。
しかし、部下側もコミュニケーションをとるのは上司の方からという認識があるとも言えます。
「できるヤツ」は、決して意見を後出ししたりしません。
自分から上司とコミュニケーションをとり、自分の意見を示し、適切に上司と議論することを通してコミュニケーションをとっています。
つまり、当事者意識が上司に自然と伝わります。したがって、上司は仕事を安心して任せられる「存在感のある人材」になるわけです。
3.まとめ
今回の3つのパターンのいずれかに思いあたる節があるならば、改善しないと、その他大勢の埋もれた存在になってしまいます。
逆を言えば、気づき改善すれば、45歳からでもキャリアを充実させることができます。
先回りして動けることは、差になります。
先回りするということは、前工程と後工程のことを考えることとも言えます。
相手思いの姿勢があれば、行動となって現れます。
少しの心がけが、大きな差になります。
その心がけは、意識さえすればそれほど難しいものではないのです。