上司も人間です。仕事をするうえで気持ち良く仕事ができる部下とそうでない部下がいます。気持ち良いかどうかは、人間関係にかかわる相性の問題なので、一概に業績が高い/低いと連動してとらえることはできません。
今回は、「気持ち良く仕事ができない部下」を”めんどうな部下”と定義し、つぎの2パターンに分類しました。
45歳を過ぎてから、”めんどうな部下”にならないために。そのヒントになればと思います。
1.”めんどうな部下”の2類型
「仕事はできるけど、話しをするとイラっとするんだよな!」
「仕事もできないくせに、あの態度はいったいなんなんだよ!」
”めんどうな部下”に対して、このようにコメントする上司は多いです。
部下を「業績」と「人間力」の2軸で分類すると"面倒な部下”はつぎのように分類できます。
いずれも、上司の立場からは”めんどうな部下”とみられ、周囲からも、一歩ひいた距離感をもたれていることでしょう。
たとえて言うと、”勘違い野郎”、やっかいもの”、”はなつまみもの”と見られています。嫌われている、イタイ人です。
こうなると、努力しても空回りしてしまいます。
45歳を過ぎて、他者からこの手のタイプに見られると、けっこうダメージが大きく、キャリアの再生は望めません。
2.”めんどうな部下”を具体的にみてみよう
タイプ1:自分の考えが最適解で、他者の考えを受け入れない人
頭脳明晰な人に多いタイプです。
自分の考えに絶対の自信をもっているため、他者の考えを聞いているようで、ほとんど聞いていません。
自分の考えが通りそうもないときは、たとえば、お偉いさん(役員等)の威光をかざして受け入れさせようとすらします。
コミュニケーションスタイルは、慇懃無礼(いんぎんぶれい)系です。
タイプ2:自分の考えに同調しない人を攻撃する人
仕事に対する熱い情熱を持っている人に多いタイプです。
仕事に熱い情熱を持つことは良いことです。しかし、その熱い情熱に人が共鳴し、いっしょに動こうという気持ちにならないと、”空回り”している人になってしまいます。
それゆえ、孤独感を感じることとなり、”空回り”している原因を他者に向け、場合によっては”逆ギレ”することも多々あります。
「いっしょに動こうという気持ちにならない周囲の気持ちが足りていない」
「そんな気持ちで働くことを恥ずかしいと思わないか」
「なんで、〇〇ができていないんのか」
このようなことを他者に言うことが多く、上司や周りの人は、”引いて”いきます。
コミュニケーションスタイルは、攻撃系あるいは逆ギレ系です。
タイプ3:過去の栄光にすがって、持論をダラダラと主張する人
社歴が長いため、過去の出来事を知っている、あるいは、過去に大きな仕事を担ったことがある人に多いタイプです。
ものごとの判断を過去の体験をもとにしているため、新しい取り組みに対して、表面上は賛成しているかのごとく振る舞います。しかし、本音は違っていて、「できない理由、やらない理由」を過去の体験から評論家のごとく、持論をダラダラと主張します。
めんどうなことに、本人は主張している自分に陶酔していることが多いため、聞いている側が、長い話の切り時を見定めることに苦慮している場面が多いです。
前向きなことを主張するならば、周りの人もその持論に耳を傾けます。しかし、後ろ向きなことを主張することが多く、上司や周りの人もも扱いに苦慮するのです。
コミュニケーションスタイルは、何が言いたいのかわからない評論家系です。
3.まとめ ”めんどうな部下”から脱却するには「人間力」を高めること
具体例をあげて”めんどうな部下”を見てみると、上司や部下と謙虚な気持ちをもって一緒に働いていこうという「人間力」に課題があることがわかります。
この「人間力」は、その人の生きてきた過程での経験に基づく価値観が大きく影響しています。ゆえに、スキルを研修などで伝えても、期待する効果には程遠い結果に終わります。
”めんどうな部下”が、自分の言動が自分にとってプラスにならないことを自覚して、自ら変わろうとしないかぎり、この「人間力」は高まらないでしょう。
他方、プラスにならないことを自覚して変わろうとすれば、格段に変化します。
変化すれば、存在感のある人材となります。
上司や周りの人と、謙虚な気持ちをもって一緒に働こうという価値観が必要になるのです。