45歳からの年収1.5倍化プログラム

キャリアを再生させる5つの視点(好奇心、持続性、楽観性、柔軟性、冒険心)から、自分の価値を再発見して、これからの15年を30年の濃さにしよう!

「石の上にも3年」と言うけれど・・・。

 「石の上にも3年」。石の上にも3年間座り続ければ、その石も温まるということから、「なにごともに忍耐が大切」、つらくとも辛抱して継続していれば、いつかは成し遂げられるという故事成語です。

 

 「辛さを抱える」ということは、その辛さを感じているときは、なんとかそこから逃れたいと思いがちです。自分の意にそわない出来事に対峙するとき、自分の経験が活かせない役割を担うとき、「辛さを抱える」ことに何の意味もないと感じ、それを経験しないことの正当性を自ら探し始めます。

 

 しかし、「辛さを抱える」ことを経験することは、自分の価値を高めるチャンスだとするならば、意をもってとどまり、辛さを抱えてみませんか。

 

1.「やめ癖」がなくなる

 

 たしかに、我慢し続けながら行動することは、自分に負荷がかかります。精神的に決して居心地のよいものではありません。「ちょっとちがう」と感じたら、すぐに方向転換して、状況がよくなった人も数多くいますから、一概に、「辛さを抱える」ことに意味はないようにも思えます。

 

 気をつけなければいけないことは、方向転換を決断するときの「選択基準」です。「選択」の先に自分のありたい姿が見えていない場合、結局、見えない目的地に向かって、行き当たりばったりに歩んでいることと同じになるため、「嫌ならやめる」という癖がついてしまいます。キャリアのうえでは、自分の経歴を意味のある職歴としての訴求力が低くなります。

 

 自分のありたい姿が見えるまでは、目の前のことを続けてみることは、「やめ癖」がなくなります。売れる経歴につながるのです。

 

2.器が大きくなる

 

 

 「辛さを抱えて」続けてみると、「なんとかなる」あるいは「なんとかする」自分に巡り合います。イヤイヤ取り組んでいたことの中に、興味をもてることを発見し、興味をもてるようになったりすると、思いもかけず「なんとかしている」自分がいたりします。

 「仕事だからやっている」とクールに割り切る人もいますが、私は、その「なんとかなる」、「なんとかする」という柔軟性が、人の器を大きくすると考えます。

なぜならば、このような経験をしたことのある人は、自分と同じような境遇に悩んでいる人に寄り添うことができるからです。

 相手思いができる人は、器が大きな人という印象を周囲に与えます。その結果、自分をフォローしてくれる人も増えてくるのです。

 

 3.自分の可能性が広がる

 自分のやりたいことができれば、それは幸せなことです。誰もがそう願っています。一方、「辛さを抱える」ことで、自分の新しい可能性を見出すことにつながる場合も多くあります。

 

 有名な話として、スティーブ・ジョブズ氏のスタンフォード大学での講演があります。彼のキャリアを振り返る話として、「コネクティング・ドッツ」という話がありました。一つひとつのキャリアを点(ドット)と捉え、ある時点でそれを結びつける(コネクティング)とそれに意味が見いだせるという話です。

 

 可能性を感じるためには、自分のありたい姿を描くことが大切ですが、何かに好奇心をもって没頭することが自分のありたい姿を描くことにつながるともいえます。

 

 自分とかかわる人に、その人の持つ可能性(ポテンシャル)を感じさせることができれば、その分、自分の価値は高まってくるのです。

 

4.最後に

 

 プロ振付師の夏まゆみさんの著書 『エースと呼ばれる人は何をしているのか』  (サンマーク出版)のなかに、可能性が広がることに触れられています。最後に参考までに抜粋します。

 

「 好きな分野でエースになるために「好き」を仕事にできればベストですが、それは簡単なことではありません。大部分の人は「好き」とは直接的に関係のない仕事に就いているでしょうし、なかには「向いていない」と思いながらも生活のために働いている人もいることでしょう。


 しかし、それでもいいのです。


 たとえ「好き」とはほど遠い仕事だったとしても、その経験がムダになることは絶対にありません。むしろ「好きじゃないから」とか「向いていないから」と言ってそのつど仕事をやめていなら、簡単にあきらめる癖がついてしまい、いつまでたってもエースになれません。」(P205~206)


「 経理部門に配属となったOL時代、退屈さに音をあげそうになる毎日でしたが、じつはこのとき経理をかじったことが十数年後に生きてきます。ダンス公演の収支バランスを考えるときや、自分で立ち上げたナツ・ファンキーハーツという会社を経営していくにあたり、経理のノウハウが思いのほか役立ったのです。」(P211)

 

 自分のありたい姿を見つけるためにも、簡単にあきらめずに、辛さを抱えて、なんとかなる、なんとかすると信じ続けてみると、思いもかけず、自分のキャリアは広がるのです。