40歳を過ぎて、初めて転職を考えるとき、自分が本当に求めているキャリアのあり方がわからなくなっていることがその原因です。キャリアのあり方がわからなくなってしまうと、それが不安や悩みを引き起こします。そこで、その不安や悩みの正体を明らかにする第一歩として、「転職によって、得られることと失うことを紙に書き出すこと」が大切であることを、お伝えしました。
「40歳を過ぎて、初めて転職を考えるときの心構え」の連載第2回目は、「自分を知る」です。
自分に関する情報を可視化する
当たり前のことですが、自分を知るためには、現在の自分とそれを形作ってきた過去を徹底的に洗い出すことに意味があると、私は考えます。
わかっているようで、自分のことはわからないものです。
それゆえ、自分について、ポジティブに捉えることとネガティブに捉えることを冷静に見極めることが重要です。自分のチカラを発揮できる状況を的確に把握することができるからです。
目に見える形で、自分を知ることは、自分の人材力の原点を知ることなのです。
【時間軸】×【自分の人材力】
自分の人材力を知る上で考慮すべき視点があります。
それは、時間軸という視点です。
具体的には、
- 現在:どのような役割を任されているか、どのような実績をあげているか
- 過去:現在につながる過去の経験、実績があるのか
- 未来:過去と現在を通して、どのような貢献ができるのか
という3つの側面で自分の歴史を捉えることです。
加えて、3つの時間軸で整理したことを、自分にかかわる4つの人材力の視点で整理してみます。
私は、4つの人材力をつぎのように捉えています。
- 「基礎力」
- 「専門力」
- 「再現力」
- 「人間力」
まとめ
「自分を知ること」は、端的に言うと、「自分は、どのような仕事が得意で、どのような付加価値を創り出せるか」を明らかにすることです。
そのためには、過去の経験を徹底的に洗い出し、自分の人材力が磨き上げられてきた出来事とそれらをつなげたときに見えてくることを自分の言葉で定義することが大切になります。
このプロセスは、自分オリジナルな経歴を、計画的偶発性理論に沿って、確かめていくことと言えます、
自分にポジティブな経験だけではなく、ネガティブな経験の中にも自分の現在と未来を創り出すものがあり、それを自覚することで、「自分を知る」ことができます。
現在、過去、未来という3つの時制をつなげてみると、新たな気づきと出会うことがあります。
これは、自分のキャリアを自律的に意識しないと気づかないことです。
自分を振り返る機会を作ることが、めんどくさいことですが、意味のあることなのだと、私は信じています。
参考になる動画があります。
スティーブ・ジョブズ氏がスタンフォード大学の卒業式スピーチです。
15分弱の動画ですから、是非一度視聴してみてください。
きっと、何かきっかけをつかめると思います。
Steve Jobs 2005年・卒業式スピーチ・日・英語同時字幕